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毛利愼の外食エンターテインメント! Vol.11

“エール”となる食事を提供したい!!社長が作る賄いから生まれた「Café WASUGAZEN」

2021年03月03日(水)
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店名の「Café WASUGAZEN」は“和をすることは善であり”という言葉から。善の響きに 膳、禅とイメージが膨らみ、インスパイアされたと池ノ辺氏
店名の「Café WASUGAZEN」は“和をすることは善であり”という言葉から。善の響きに 膳、禅とイメージが膨らみ、インスパイアされたと池ノ辺氏

愛宕グリーンヒルズに映画の予告編を見ながら食事を楽しめる「Café WASUGAZEN 愛宕グリーンヒルズ店」が誕生した。なぜ映画の予告編かというとカフェの親会社が「バカ・ザ・バッカ」という映画の予告編制作会社なのだ。同店のルーツは同社社長である池ノ辺直子氏が社員のために作っていた“賄い”にある。東日本大震災時、池ノ辺氏は海外にいた。帰国後、棚が空になったコンビニや電力の計画停電など日本の窮状を目の当たりにし、その苦境に社員のために何か出来ないかと考えたのが日々の炊き出しだった。食事情が落ち着いた後も“社長のカレー”は人気があり、毎金曜日をカレーの日にしていたところ、噂を聞きつけた取引先からも食べに来るなどファンが増えていった。そんな折、オフィスの前の店舗に空きが出たことから、“福利厚生として社員が利用できる社食兼一般のお客さま向け飲食店”という形態で前身である「Café WASUGAZEN 芝店」をオープンした。“体に優しくて、美味しいものを温かさと共に食べてほしい”という池ノ辺氏の思いがこもった同店では契約農家から仕入れる野菜や油で揚げずに作るフライ、都度手作りされるノンオイルのタルタルソースに自家製のドレッシングやふりかけ、米粉で作るデザートといたるところに氏の拘りが表れている。また食材の廃棄を極力少なくするべく、日々のメニュー作りで残る野菜をスープにして定食に添えるなど“WHOLE FOODを食べる”のモットーも大切にしている。今回そこにイタリアンの人気店、西麻布の「KNOCK」が監修という形で初めて社外店舗の運営に関わった。あまたある依頼の中からなぜ同店だったのか?「KNOCK」ソムリエの大西淳一氏にお話を伺ったところ、「ご縁とタイミング」と簡潔な回答が返ってきた。ご縁の主は池ノ辺氏だ。長年、大西氏や社長の横山剛氏の友人であり、「KNOCK」の常連でもある彼女が商業施設への初出店に際し“プロの指南”が必要だと感じ相談したことから今回の監修に繋がったという。食材を食べきるという点においては意を同じくする「KNOCK」の梶原政之総料理長からはパスタメニューの監修においては、材料や料理を使い切るアレンジ法についても指南があったそうだ。今回、愛宕への移転を期に「KNOCK」の監修に加え、「サザコーヒー」とのサイフォンドリップのコラボレーションも実現した。

日替わりの定食は魚と肉から選べ、主食も玄米と雑穀米が用意されている
日替わりの定食は魚と肉から選べ、主食も玄米と雑穀米が用意されている
「KNOCK」監修のパスタ。「KNOCK」ファンには貴重な「Café WASUGAZEN」限定レシピだ
「KNOCK」監修のパスタ。「KNOCK」ファンには貴重な「Café WASUGAZEN」限定レシピだ
パステルカラーで色合いの自家製ドレッシング3種。いずれも野菜がたっぷりと使われているドレッシングで池ノ辺氏の野菜をたっぷり食べてほしいという思いから“ベジ・オン・ベジ”を味わえるようにと開発された
パステルカラーで色合いの自家製ドレッシング3種。いずれも野菜がたっぷりと使われているドレッシングで池ノ辺氏の野菜をたっぷり食べてほしいという思いから“ベジ・オン・ベジ”を味わえるようにと開発された
毎週金曜日はランチメニューにカレーが登場する。カフェ開業以前の“社長のまかない時代”からの習慣だ。週替わりで味が変わるカレーを求め毎週通うファンも多い
毎週金曜日はランチメニューにカレーが登場する。カフェ開業以前の“社長のまかない時代”からの習慣だ。週替わりで味が変わるカレーを求め毎週通うファンも多い

親会社も愛宕グリーンヒルズへの移転が予定されており、今後も社食兼飲食店として稼働させていく。まだまだオフィスワーカーの戻りが厳しい中ではあるが、今後は同ビルに入居する他企業の社員たちにも愛される食堂となるだろう。異業種からの飲食店経営参入が増える昨今だが、同店はスキームとしても興味深いスタイルとしてぜひ注目されたい。

食へのこだわりはデザートにも。ケーキ生地には米粉が使われグルテンフリーに。カップケーキには野菜を使ったクリームがトッピングされている
食へのこだわりはデザートにも。ケーキ生地には米粉が使われグルテンフリーに。カップケーキには野菜を使ったクリームがトッピングされている
コーヒーはサザコーヒーのサイフォンドリップ。直営店以外でサザコーヒーのサイフォンドリップが飲めるのは同店のみであり、豆がWASUGAZENブレンドで提供されている点も魅力だ
コーヒーはサザコーヒーのサイフォンドリップ。直営店以外でサザコーヒーのサイフォンドリップが飲めるのは同店のみであり、豆がWASUGAZENブレンドで提供されている点も魅力だ
店内にはテーブル席に加え、カウンター席も。ひとりでも大勢でも お客さまのスタイルに合わせて楽しんでもらえる空間になっている
店内にはテーブル席に加え、カウンター席も。ひとりでも大勢でも お客さまのスタイルに合わせて楽しんでもらえる空間になっている
店内では常時50本以上の新作映画の予告編が流れる。時に映画を彷彿とさせるメニューが登場するなど映画ファンにも見逃せない店舗だ
店内では常時50本以上の新作映画の予告編が流れる。時に映画を彷彿とさせるメニューが登場するなど映画ファンにも見逃せない店舗だ

Café WASUGAZEN 愛宕グリーンヒルズ店
https://www.bacca.net/wasugazen/

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