「何を」「誰に」向けたオンリー・ナンバーワンになるべきか
濃い霧は、自社の商売の輪郭を見えにくくする。宿泊業や飲食業の方々に限らず2021 年の立ち上がりは、霧の中にいるような感覚にあるだろう。霧の中にいるということは、お客さまに見つけてもらいにくい状況にあるということである。はっきりとした自己主張をしていなければ、主張が自分本位ではなく相手本位のものでなければ、選ばれないということである。
20 年末、繁盛している旅館がある。レストランがある。商売がある。例えば、カップルでの利用をとことん考え抜いた旅館である。ハレの日を彩ることを徹底的に磨き上げたレストランである。あんパンを媒介にできることすべてを展開するベーカリーである。利用者さんの生活改善に一丸になる介護マッサージ業である。市場は、昨対7 割、自社は繁盛している。
Profile
岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。(株)船井総合研究所を経て、2004 年(株)スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)、『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など
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