安売りをすることは「お客さまに歩み寄る」こととは違う
コロナ禍の今も昔もこれからも、お客さまに歩み寄る事業が必要なのは確認するまでもないだろう。昔も今も、相手、お客さまの欲求を満たすために商品があり、お客さまは、その商品から得られる価値を手にするためにお金を支払う。しかし、歩み寄り方に最も工夫を要するのが、いまだろう。これまでと何かを変えて、いまに近づいていく必要があるのだ。
ある高級フレンチ店が、ハッピーアワーをやっている。3000 円でシャンパンが、オープンテラスで味わえる商品は、好評のようだ。加えて、女性二人で3万円のドリンク込みの高級食材を使ったコースも提供している、一般的な高級フレンチの平均価格からみれば、1/10で、フレンチ気分が味わえるのが、ハッピーアワーという、お客さまへの歩み寄り方と言えるだろう。団体客が入ってこない状況を嘆くのではなく、手を打っているのだ。
Profile
岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。(株)船井総合研究所を経て、2004 年(株)スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)、『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など
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