危機管理に必要なのはスピード感
---いまだ出口の見えない新型コロナウイルス感染症問題ですが、御社の現状からお聞かせください。
店舗については全店休業としています。今後、商業施設の休業要請以外の店舗で時短ルールを守り、少しずつ再開する予定です。その中でテイクアウト商品を8 割のブランドで提供できるように整備しました。雇用に関してはアルバイトの方たちは一度、出勤を控えさせていただき、社員に関しては営業店舗を絞って勤務し、本部はテレワークと出勤の両方で対応してもらっています。
---今回、御社は早い時期から店舗における対策やその情報発信を細やかにしっかりとやられていたのが印象的でした。
過去、東日本大震災にリーマンショック、BSE の問題など弊社として大きな危機に直面した際に私自身が最前線でそれを経験してきていたので、危機管理はスピーディーに対応することの大切さを身をもって体験していたことが強かったと思います。その経験からマスクなどは備蓄があったことであまり困ることもありませんでしたし、休業に関しては国や東京都による外出自粛要請や緊急事態宣言などの情報を参考に休業準備態勢を整えていました。
営業時間のシフトチェンジやテレワークなどは2 月20 日からの三連休後に小池都知事から“重大局面を迎えている”といった発表があったあたりから着手し、テイクアウト商品の開発等は3 月初頭に売り上げの落ちが予想以上に大きくなったことで経営会議ですべての部門の役員たちと方針を共有しました。弊社の場合、大型店舗が多いことに加えインバウンド需要の大きなブランドも多いことから1 月の後半から春節にかけて売り上げに影響が出はじめたこともあり、他社よりも早期にリスクヘッジの方策を講じる必要があった点も結果として今につながっている点があるかと思います。