「ゆず庵」の食べ放題コースから一例。いずれのメニューも、目にも楽しく、口にも美味しい。しゃぶしゃぶは定番の4種類のだしに加え、年に4回登場する期間限定メニューを楽しめる。寿司も同様にその時々の季節や旬のネタをフィーチャーしており、限定登場するネタを楽しみにしている常連のお客さまも多い
㈱物語コーポレーションの人気ブランド、「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」が100店舗目となった秋葉原店開業に際し、初の都心型店舗をオープンした。
同ブランドは、ロードサイドの人気店として2012年の1号店開業からわずか10年余りで、全国100店舗を展開するまでに成長した同社を代表するストロングコンテンツである。そのブランドが、新たに“都市型”というスタイルを取り入れ、新展開をスタートさせた背景には、和食に対するインバウンド需要の右肩上がりの成長があった。今回、都内屈指の観光地である秋葉原に出店した同店を、将来を見据え、新たな成長の源泉を発掘する挑戦的な店舗として位置づけると共に、新規の市場開拓にも取り組んでいく。
1日に約9時間の従業員稼動の削減に役立っている配膳ロボット。お客さまに親しまれる存在になってもらいたいと愛称を公募し、“ゆずボ”というニックネームで活躍している。その際には4,299件もの応募があり、多くのお客さまがゆず庵に対して強い親近感や帰属意識を持っていることが伺える
同店では、これまでもテーマとして掲げてきた“国民的贅沢”である寿司としゃぶしゃぶをメインに展開していく一方で、A5ランクの黒毛和牛を使用した秋葉原店限定メニューや3か月ごとに変わる季節限定、さらに期間限定メニューにもさらに力を入れ、世界のお客さまの舌を満足させたい考えだ。加えて、スタッフと配膳ロボットを組み合わせたハイブリッド型のサービスや、テーブルオーダーバイキング形式の採用、自分で握るお寿司セットやシャカシャカフライドポテトなど、子ども向けに開発した多彩なサービスにも力を入れ、ジャパンホスピタリティの底力を感じさせる取り組みを展開している。
食材や料理に対する取り組みも真摯だ。店内でカットし、厚さ0.9ミリにこだわったしゃぶしゃぶ用の肉や、厳選された産地から仕入れたネタを職人がひとつひとつ丁寧に握る寿司など、スタイルこそ食べ放題だが、味への妥協は一切ない。都心型店舗では、一部メニューがロードサイド店舗より若干高価格ではあるものの、いずれも良心的な価格設定で提供されており、インバウンドのお客さまのみならず、ファミリーやグループ、若者にも嬉しい選択肢となっている。
寿司もしゃぶしゃぶも、インバウンド市場で高い人気を誇るメニューだ。特に昨今、しゃぶしゃぶ需要は急速に高まっている。同ブランドでは、HP内に旅行会社専用の予約ページを設けるなど、既にインバウンド利用が多い状況にあるが、都心型店舗の展開により、その人気がさらに加速することは間違いないだろう。
これまでも外食産業における業態開発のリーディングカンパニーとして高く評価されてきた同社が、インバウンド市場において今後どのようなムーブメントを起こしていくのか? その動向に注目していきたい。
「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」
https://www.shabu-yuzuan.jp/
担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp