awa酒、ヴィンテージ酒、デザート酒で、日本酒と料理のペアリングを訴求できる
島田 永井酒造における awa酒の割合は、最終的にどれくらいを目指していますか。
永井 私たちの酒蔵 4000石のキャパシティーのうち、1000石を awa酒にしたい。高付加価値の awa酒によるブランド価値向上に挑戦します。
スパークリング、ヴィンテージ、さらに 2008年からデザート酒を造り始めました。食後を締める酒を貴醸酒ベースで造ることで、食事のシーンにおける日本酒のラインアップを 2014年にそろえることができました。
このことは「日本酒と料理のペアリング」の概念によって、世界に向けて売っていくことができることを示しています。世界のワインマーケットと日本酒マーケットを比較すると、ワインは年間約 30兆円であるのに対して、日本酒は約 4000億円。ざっくり 100対1もの差があるわけです。この差を埋めて同じ土俵で人々に比較してもらうためには、料理とのペアリングという概念をベースに展開を考えるべきだと思うのです。
日本酒は米の文化ですから、ブドウの文化から生まれたワインの世界観と競合することなく、共存できるはずです。ワインよりも日本酒の方が合う食材はありますし、そのことにフランスのソムリエたちも気付き始めている今がチャンスです。
道を切り開いて日本酒を本当に欲しがっている人たちに飲まれるようになれば、ビッグマーケットが出現するでしょう。そこにはワインとの競合もない、超ブルーオーシャンが広がっていると私は信じています。
2020年1月31日号 グローバルSAKE マーケットの創造者たち
グローバルSAKE マーケットの創造者たち 連載第2幕 第4回
【月刊HOTERES 2020年01月号】
2020年01月30日(木)