左から、マルケス・デ・リスカルのソーヴィニヨン・ブラン、ホセ・パリエンテのベルデホ2016、ボデガ・ベロンドラーデのベロンドラーデ・イ・リュイトン2014、エルマノス・リュトンのクエスタ・デ・オロ2015、そして酸化熟成させたデ・アルベルト ドラドNV
地元スペインの最重要品種の一つ
スペイン中部のワイン産地、ルエダ原産地呼称統制委員会は、東京・日本橋(移転前)のスペイン料理店「レストラン サンパウ」で同地ワインと料理によるプレゼンテーションセミナーを3 月20 日に開催した。
1980 年1 月にスペイン農業省から「デノミナシオン・デ・オリヘン」(DO)として認定されたルエダは、カルティーリャ・イ・レオン州にとって最初のDO であり、生産地は同州全体に位置する。ベルデホ(Verdejo)と呼ばれるこの地域のブドウ品種の認知度を高め、さらに2008 年以降は赤やロゼワインの生産にも取り組んできた。この日はルエダのソーヴィニヨン・ブランと、品質の向上と多岐にわたるスタイルが確立されてきたベルデホを用いて春から初夏に向けたルエダの魅力と料理のマリアージュが示された。ルエダは地理的には地中海ゾーンに位置しているが、ブドウ生産地は標高700 ~800m に及ぶ高原に位置するため大陸性気候の影響を受ける。夏冬や昼夜の寒暖差が大きいことでも知られている。年間の降水量が300 ~500ミリと限られており、さらに日照時間は2600 時間に及ぶため、皮が厚く晩熟なブドウであるベルデホが魅力を放ってきた。スペインで最も消費されている白ブドウ品種で、国内で40%が消費されているという。
「ハーブや柑橘を思わせる香りがあり、オリーブオイルとの相性が良い。特にカタルーニャ地方のオリーブオイルとの相性が抜群」と語るのは、シェフソムリエの菊池貴行氏。アロマティックであり、水はけが良く小石の多い土壌はカルシウムやマグネシウムを多く含み、ルエダの特徴的な心地よい酸と甘みのバランスが生まれるという。