左から、準優勝の阿部翔平氏、優勝した堤さん、南アフリカ共和国のロイズ・クズワヨ駐日全権大使、第3 位の小林淳氏
ワインが大半の中でジン、ブランデー というチョイスも
カクテル創作の規定は、課題商品であるKWV のワインやスピリッツのいずれかをショートカクテルでは10㎖以上、ロングカクテルは40㎖以上を使用し、生鮮食品を除き国分商品で構成すること。作品審査は、カクテルのネーミングやコンセプト、ビジュアル、香りとテイスト、大会テーマとの関連性による20ポイントと、食とのマッチング5ポイントで評価され、5人の審査員の合計125ポイント。また、礼節と身だしなみ、立ち居振る舞いと調合技術、カクテルの過不足などを3人の技術審査員による50点満点が加算される。
フードペアリングを考えたときに、ベースにワインを選ぶのは妥当な考えだろう。実際、30人のうち16人がスティルワインもしくはスパークリングワインを用いた。この中にはジンやブランデー、バーボンなどで味わいを強めたレシピもあった。一方で、9人はジンを、5人はブランデーをチョイスした。いずれからもバーテンダーらしいチャレンジが垣間見えた。
優勝は、西関東支部代表の堤沙耶香さん(神奈川・藤沢、THE BAR PLEO)。受賞カクテル「Dress Up」はKWV クラシック・コレクション シャルドネをベースにカシスリキュール、KWV ブランデー3年とアリーゼ ローズによるもの。南アフリカで文化を育んだワインが果実とブランデーを身にまとい、深紅のカクテルへとドレスアップした様を、KWV100周年の祝福とともにグラスで表現した。このカクテルはフードペアリング賞も同時受賞した。
準優勝はカクテル「Serruria ~可憐なる愛~」を創った阿部翔平氏(ANAクラウンプラザホテル札幌)。第3位は「Limit 100 ~更なる高みへ…~」の小林淳氏(グランドニッコー東京 台場)で、小林氏はベストテクニカル賞も受賞した。この3人は副賞とともにKWV による南アフリカ共和国への研修旅行に招待される。
コンペティションで審査員を務めた観光庁 観光地域振興部 観光資源課 地域資源活用推進室長の山田亜紀子氏は、
「政府の成長戦略、地域創生として観光は一つの柱。外国人旅行者の楽しみにも観光地めぐりやショッピングから、個人のニーズに即した特別な体験が求められている。ナイトタイムの魅了的なエンターテインメントとして、各地のホテルで個性的なカクテルが提供されることで観光業界の発展につながることを期待している」とコメントした。
■開催日:2018 年10 月28 日
■会場:グランドニッコー東京 台場
■優勝:堤沙耶香(THE BAR PLEO)
*ベストフードペアリング賞同時受賞
■準優勝:阿部翔平(ANA クラウンプラザホテル札幌)
■第3 位:小林淳(グランドニッコー東京台場)
*ベストテクニカル賞同時受賞
■KWV 賞:田口司(名古屋マリオットアソシ アホテル)/小坂駿(京王プラザホテル)/ 増田鉄平(BAR 倉吉中洲)
■ギャラリー賞:長門良樹(川越プリンスホテル)
■味覚審査員:山田亜紀子(観光庁 観光地域 振興部 観光資源課 地域資源活用推進室長)/田辺由美(ワインアンドスピリッツ文 化協会理事長)/髙橋典裕(国分グループ 本社 マーケティング統括部 マーケティング 開発部長)/小森谷弘(HBA 会長)/古澤 孝之(HBA 理事・カクテルコンペティション 委員長)
■技術審査員:野田浩史(HBA 理事・カクテルコンペティション委員)/下迫靖文(HBA 理事・カクテルコンペティション委員)/ 高野勝(HBA 理事・カクテルコンペティション委員)
*上記すべて敬称略