ワイン・製品紹介
イオン系スーパーなど小売りラインでなじみの「サラビベ」。左から辛口のブリュット、ドミセック、色合いの淡いロゼは凝縮感と爽快さのバランスが良い。ほかにブリュット・ナチュレもある
スペインのスパークリングワイン、カバで知られる「フレシネ」のグループワイナリーである「サラビベ」はジョセフ・セレール・サラ氏が1986 年に設立。ケレタロ州ベルナル・ヴァレーで生産を始めた。標高2000m の粘土質で、100㎝以下は火山灰が蓄積してできた岩上の炭酸カルシウムが豊富な地層を、水を吸収するように粉砕して構成している。
日照は年間で3000 時間、降雨量は200 ~ 300㎜で、年平均気温19℃、昼夜寒暖差9 ~ 21℃という気候の中、生産品種は白ブドウがシャルドネ、マカベオ、チャレロ、パレリャーダ、ユニ・ブラン、モスカテル、黒ブドウはピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、テンプラニーリョなどを栽培。410 万トン、130 万ℓのワインを生産するための収穫は手摘みで行ない、スパークリングワインは瓶内二次発酵で造っており、一部はスティルワインも生産している。
地下25 m、4000㎡のセラーで9 カ月、グランレゼルヴァクラスでは3 年以上熟成させ、常時150 万本をストックしている。
ワインツーリズムにも注力、年間20万人がこの地を訪れている。
ラセットはメキシコ最大のワインメーカー。現地ではイタリア語に近い「ラチェット」という呼び方もされるという。中央のネッビオーロは国際的な評価も高く、メキシコワインを再評価するにふさわしい質の高さを感じる
■ラセット
イタリア生まれのドン・アンジェロ・チェット氏(Don Angelo Cetto) が1928 年にバハ・カリフォルニア州に設立したワイナリーで、事業は1926 年にティファナで酒販業からスタート。51年に次男のルイス・アングスティン・チェット氏が事業に参画し、品種の取捨選択、品質向上、販売網の拡大を進める。65 年にイタリア・ピエモンテ出身のカミーロ・マゴーニ氏が醸造責任者に就任したことがターニングポイントになったようだ。高品質ワインに注力し、同時期に畑を買い増した。77 年にグアダルーペヴァレーに現在の最大の畑でもあるワイナリーを設立。83 年にはルイス・アルベルト・チェット氏が3 代目に就任し、メキシコ最大のワイナリーに成長する。85 年にクラシックシリーズ発売し、86 年にはネッビオーロによるファーストヴィンテージをリリースした。現代は4 カ所の畑を所有し、主力であるグアダルーペは標高350m の土地に気温は3 ~ 40℃、年間降雨量は200㎜で、沖積土壌、砂質、花崗岩、石灰質によって構成されている。1200㏊の敷地から年間1万5000トンのブドウを生産。樹齢80年を超えるものもある。「ラセット ネッビオーロ プライベートリザーブ 2014」はNY ワインコンペティションでダブルゴールド受賞した。
メキシコ最古のワイナリーはすなわち、アメリカ大陸最古のワイナリー。伝統と革新のミックス、CSRにも積極的なワイナリーとして認識されている
■カーサ・マデロ
1597 年創業のアメリカ大陸最古のワイナリーは、モンテレイから西に220㎞、コアウィラ州にあり、パラスヴァレーはメキシコワインの聖地とも言われている。蒸留酒の製造も行なっているほか、フィロキセラ対策やクローン技術をはじめとした最新の設備投資にも積極で、2009 年にはISO9001 を取得した。メキシコ最初の有機ブドウ園でもあり、企業としては教育・医療支援、奨学金のサポートといった慈善活動も行なわれている。1910 年に始まったメキシコ革命の旗手で大統領になったフランシスコ・マデロの実家でもある。
生産しているワインの95%が輸出用で、ワイナリー全体では21 アイテムを造っており、日本ではサッポロビールがカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネの2 種類を年間1000 ケース輸入・販売している。
メキシコ大使館商務部 PROMEXICO 商務参事官のアーロン・ベラ氏はメキシコのワイン事情について詳細に説明した
メキシコでは冷蔵庫など家電メーカーとして存在感のあるmabe のワインセラー