優勝した岡山寛氏。ヘネシー X.O の魅力をさらに高めたカクテルが評価された
ヘネシー X.O の魅力を昇華するセレブレイトカクテル
MHD モエ ヘネシー ディアジオ㈱は、同社が取り扱うコニャックによる「Hennessy X.O カクテルコンペティション 2018」を6 月24 日に品川プリンスホテルで開催。名古屋東急ホテルの岡山寛氏が優勝した。
今年で3 回目になるこのコンペティションは、ヘネシー X.O が持つ魅力をさらに飛躍させるようなカクテルを募るもの。今年は「セレブレイトカクテル ~勝利の美酒~」をテーマに、成功や健闘を祝う趣旨の作品が集まった。さらに今大会では書類選考通過から決勝当日までの間、おのおのの店舗で行なうカクテルプロモーションの内容が審査項目に加わった。
岡山氏の優勝作品「Vivra Vivre ~素晴らしい人生~」は、ヘネシー家の3 代目当主、モーリス・ヘネシーが創り出し、“eXtra Old” を略してX.O と名付けた彼の挑戦へのオマージュのようなカクテルだ。ニュージーランド産シャルドネの白ワインに存在する熟成感をヘネシー X.O の豊潤さに重ね、ゆずシロップとオレンジのゼスト(果皮)とともにシェークし、炭酸水で割ったロングカクテルだ。
お祝いがテーマとあって多くのバーテンダーがシャンパンを用いたカクテルを発表した中、岡山氏は酸味やアタックの強いシャンパンを避け、樽のニュアンスが共通する白ワインを探してヘネシー X.O のふくよかさを生かしたと言う。テーマやコンセプトを大切にしながら、あくまで味覚を大切にした姿勢が評価につながったと見える。実際に審査員の講評で「ヘネシーX.O を使ったカクテルの商品価値として、価格に見合うものであるかを念頭に審査した」と語ったPBO(プロフェッショナル・バーテンダーズ機構)の北村聡チェアマンの言葉通り、アイデアはもとより飲み手が納得する味わいや喜びを提供できるかが、ほかのカクテルコンペティションとは異なるポイントだろう。
また、レシピの中でビターズやシロップなど、自家製の素材が多く用いられたのは近年のコンペティションを特徴づけている。これに対してNBA(日本バーテンダー協会)の山田高史国際局長が「ヘネシー X.O の魅力を最大限に生かす素材か疑問であるものも散見された」という趣旨を述べている。こうした中でアロマティックビターズやバニラエッセンス、オレンジピールとシナモンスティックによる自家製オークノートビターズを用いた作品「L’avenir ~未来へと~」を発表したホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドの福井昌和氏が準優勝を収めたのも、素材や味わいとカクテルの世界観への評価と見て取れる。
準優勝の福井昌和氏とその作品「L’avenir ~未来へと~」。カクテルの世界観も美しく表現した