▶おっしゃる通りですね。タイミングよくさりげなくお勧めいただくと、ついつい注文してしまいます。ところで、その後は酒店に転職されましたね。
料飲業界を深く知るために転職を決断しました。栃木県宇都宮市にある山仁酒店㈱です。マスター・オブ・ワインでもある大橋健一社長が経営する酒店です。宇都宮市内や近郊の配送業務と営業経験を積みました。その後、広域市場開発課に配属され、ホテルとは逆の立場に立つことで、さらに料飲業界を深く知ることができました。これまでは自己中心的に自身の判断で行動を起こしていましたが、自分以外の人の気持ちを考え、想像することが重要であることを知ることができたのです。知識と経験を背景としたある意味、押しつけ営業ではなく、それぞれが置かれた立場や売上状況などから、購入可能な価格や求めてるお酒の種類などをご提案していかなければなりません。お客さまが“必要だ”と思ったときに、側に居ることが重要だと実感しました。そのためにはすぐに営業につながらなくても、真摯に向き合い対話をし続けていくことで、まさにそのタイミングを手にすることができるのです。また営業活動を行なう上で、まずは自分がプロフェッショナルであらんとすることが重要であり、継続して研鑽に励む行動が必要だと痛感した時期でもありました。6 年間の勤務で得た貴重な時間であり、経験となりました。清酒もあつかうため、在職中に唎酒師の資格も取得しました。
▶そして再び、ホテルの現場に立たれていらっしゃいますね。
円満退社でしたので、現在のホテル椿山荘東京からご縁をいただき、再度、料飲サービススタッフとして勤めることができました。現場に立ち、お客さまと会話をすることはとても楽しい時間であり、お客さまも楽しんでいただけたらと思います。とてもステキなホテル、会社であり、何より「人」がハートフルな職場です。リアルサービスな最前線で、日々、勉強させていただいております。また私の存在が職場スタッフの起爆剤の一助になれるよう、そんな立場で従事しています。またワイン・アンド・スピリッツ・エデュケーション・トラスト(WEST)のレベル3 を取得しました。現在は最終段階のレベル4 の取得に向けて取り組み中です。世界のワインとスピリッツに関するマーケティングを含む勉強をしています。英語で行ないます。今後ますます日本のグリーバル化が進む中で、世界に対応できる知識を身につけることはとても重要なことであると思い、チャレンジしています。また次世代を担う若手のために「仕事・接客サービスは楽しい」「物の考え方、とらえ方、視点の大切さ」などを軸に、ホテルレストランの技術やマインドを伝えています。
▶最後にグループ8 に参画され、いかがでしょうか。
ホテルやレストラン以外に設計やデザイン、インフラ関係、旅行など、さまざまな業種を作り上げてきた諸先輩にお会いできることは、本当になかなかない機会です。まさに「教材の宝庫」であり、私の背中を押してくれる場でもあります。何かに迷ったときや、進みたい方向に向けてアドバイスをほしいときなど、教えていただいております。私が目指している“飲食を通じて、幸せを!”を目指して、お客さまもサービススタッフも笑顔であふれ、明日の元気につながるひとときを過ごしてほしいと願います。食は人々を幸せにします。国内に限らず、世界の人たちが言葉の壁を超えて、とてもステキな時間を過ごすことができますよう、これからも研鑽し続けていきます。