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FROM THE PUBLISHER ——太田 進——

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【月刊HOTERES 2018年06月号】
2018年06月08日(金)
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 主要なインターナショナルチェーンでは、例えばマリオット・インターナショナルは30 のホテルブランド、ハイアット ホテルズ&リゾーツであれば10 のホテルブランドなど、その多くが多様なブランドを擁している分、それぞれのブランドの違いを明確に区分している。そして、その一部では、ブランド認知拡大・浸透のためにさまざまな取り組みを行なっている。最近の主要ホテルチェーンのホテルブランディングのために行なったアクションとして大規模だったのは、昨年マリオットグループのウェスティン ホテルズ&リゾーツが行なったブランドキャンペーン「Let’s Rise」だろう。「well-being」をブランドコンセプトにするウェスティンの認知拡大を目指し、世界で30 億円を投じて行なうと公表された。
 
 ウェスティンは2000 年代、旧スターウッド時代にシェラトンとのブランドの明確な差別化を行なうため、それぞれ数十億ドル規模の莫大な投資を行なった。そして「sleep well, eat well」などブランドを6 つの柱(6 Pillars)を設け、例えばsleep well であればヘブンリーベッド、eatwell であればスーパーフードを使った朝食など、ブランドスタンダードを確立。その後も、継続的に著名ヨガインストラクターとのコラボレーションキャンペーンを行なったりするなどwell-beingに紐づくさまざまな取り組みを行なっている。
 
 それでも、ウェスティンがwell-being のブランドということをご存じの読者がどれくらいいただろうか。そのくらい、ブランドをつくり上げるのは容易ではないのである。
 
 先日、ある国内系チェーンの代表のインタビューを行なったが、彼は今最も力を入れなくてはならないこととして、「ブランドトレーニング」をあげていた。そのチェーンは最近ユニークなホテルを次々と立ち上げているものの、最終的にそのブランドを体現するのはスタッフとオペレーションであることを彼は理解していたからだ。
 
 これから競争が激化する市場において、ブランドを確立しエモーショナルな部分で顧客をつかむことは重要な要素となってくる。皆さまのホテルやレストランでは、どこまでブランドを確立するための取り組みを行なえているだろうか。ただハードやデザイン、ブランドコンセプトを定めただけでは、ブランドを築き上げることはできないのである。

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