「ビジネスホテルだからこの程度の設備でいいという妥協をすれば、海外からのハイエンドなお客さまに十分な安心感を提供できなくなるでしょう」と言う大森真氏。「さまざまな国の方々に安心して宿泊していただくためにも、最新のグローバルスタンダードを意識した設備やコンテンツを持っておく必要があります」
健康志向という世界的な潮流に対応した展開で、オーガニックやエコロジーなど差別化された特徴を打ち出す「ホテルリリーフプレミアム」
ヘルシー、ビューティー、エコロジーを
コンセプトに世界のニーズに対応する
日本の空の玄関口である羽田空港に程近い立地から、ホテルリリーフプレミアムには開業以来多くの国々から訪れたお客さまが宿泊している。ストーク、リリーフのインバウンド比率は大阪の店舗でも多いときで40%程度で推移し、半分以上は国内のビジネスユースがメインとなっているのに対して、リリーフプレミアムの2 店舗は今後50%程度まで上がっていくことが予想される。
「羽田の2 店舗については、振り切ろうと思えば100%をインバウンドにすることも可能だと思います」と代表取締役の大森真氏は言う。「それでも安定的な国内のビジネスユースを確保した上で、インバウンドの観光やビジネスについても獲得していく姿勢で、すみ分けを図りながら競争していきたいと考えています」
開業してからはインバウンドだけでなく、アウトバウンドのニーズもあることが見えてきている。早朝便で帰国する外国人が出発前日に宿泊するケースも目立ってきているのだ。こうしたニーズにも着目しながら、ホテルリリーフプレミアム羽田店、羽田空港店は美と健康、ナチュラル志向を際立たせる戦略により海外からのリピーターの獲得に力を入れている。
特に健康をホテルのコンセプトとして提示することは、ブランド認知を拡大させるための有効な方法となるだろう。
「私は以前から皇居の周りをジョギングしてきました。そしてこの2 年、中国人の方々が皇居ランをする姿が急速に増えてきたと実感しています。富裕層の方々が日本を訪れて高栄養価の食事をするという従来のパターンを経て、今はヘルシー、ナチュラルに興味が向かっていることがよく分かります。世界中の旅行者の意識が大きく変化しているので、ホテルもその新しいニーズに対応していかなければならないと考えています」
旅行者の一つのメインストリームを形成しているヘルシー志向に応えるため、リリーフプレミアムでは女性の感性を満足させるおしゃれなジョギングウエアやヨガウエアの無料貸出しも実施している。