海外事例にみる成功するバーの条件
続いて登壇したフィゲイレド氏は、世界で成功しているバーの共通点に「ソーシャルメディアの最大活用」「コンフォートゾーンからの脱出」「最高の顧客体験」の三つを挙げた。例えばホテルバーの格式を維持しつつ、異業種とのコラボレーションを推進しているロンドンのバー「Artisan」、材料をすべて使い切る、Zero-Waste Chefとのコラボレーションを推進する「Dandelion」、世界中を回りトレンドを収集し、エコの取り組みや基金を募るなどの活動が豊かな「Trash Kiki」など、豊富な海外事例をもとにした講義内容はこのセミナーそのものの価値を高めた。
キリン・ディアジオの中牟田孝一氏によると、これまでのWORLD CLASSはコンペティションを指していたが、今後はさらなる進化をたどるという。これからのバーシーンを作っていくためのスキルセット「STUDIO」と、一般の方にもっとドリンクタイムを持っていただくためのバーを設けるという「DRINK」の概念をもとに、消費者に最高のドリンク体験を、バーテンダーとともに創り続けることが、10 年目を迎えたWORLD CLASS のビジョンとなる模様だ。その上で、ベーススピリッツ(ブランド)の知識を得ることはもちろん、テーマ設定、そしてジャッジをお客さまとして見た上での巻き込みが求められることが述べられた。
WORLD CLASS の2018 年大会はWEB 応募による1 次審査の募集を3月2 日に締め切り、選出した50 人による2 次の実技を伴う審査を4 月9日~ 13 日に、5 月24 日と25 日に東京でジャパンファイナルを開催し、日本代表1 名を選出する。今年の世界大会はドイツ・ベルリンで開催されることが発表されている。
THE UNION
ドン・フリオ アネホ 45㎖
アマーロ 20㎖
チェリーヒーリング 10㎖
コールドブリューコーヒー 10㎖
フェルネットブランカ 5㎖
ラガヴーリン16 年 スプレー
ガーニッシュにグレープフルーツ
ピールを飾る
パウロ・フィゲイレド氏(右)は豊富な海外事例をもとに、成功するバーの共通点やユニークな取り組みを紹介した
WORLD CLASS BAR LIST
Artisan (LONDON) ホテルバーの格式を維持しつつ、異業種とのコラボレーションを推進
Dead Rabbit (NY) SNS の活用(意見を反映)、食前酒の提供、Menu Book の工夫
American Bar (LONDON) お客さまの最高の顧客体験を創る取り組みをしている
Dandelion (LONDON) 材料をすべて使い切るZero-Waste Chef とのコラボレーション
Employees Only (NY) サービスを速くカクテルはおいしく、テンションの高いバー作り
Charles Schuman (Germany) 営業終了間際にチキンスープを提供するなどのおもてなし
Little Red Door (Paris) コンセプトバー。建築業界のトレンドをカクテルに取り入れる
El Carnaval (Lima) チャールズジョリーも関わる。カクテルを流れ作業で作る
Trash Kiki 世界中を回りトレンドを収集、エコの取り組みを進め、基金も募っている