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第35 回 トップ企業経営者は何を考えるのか!?

第35 回  楽天㈱ 執行役員 ライフ&レジャーカンパニー ヴァイスプレジデント トラベル事業 事業長 髙野 芳行 氏 × TOP CONNECT ㈱ 代表取締役 内田雅章

【月刊HOTERES 2018年01月号】
2018年01月12日(金)
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改めて考える、
楽天トラベルとそのメリット
 
内田 国内OTA 最大手の一つとなるまでに、これまでどのようなことに取り組まれてきたのでしょうか。
 
髙野 「旅の窓口」が楽天トラベルに加わりまず行なったのは、営業組織の変革です。私自身は04 年からトラベル事業に従事していますが、先述の通りもともとは楽天市場の営業マンでした。そしてEC(Electronic Commerce)コンサルタントとして100 店舗以上を担当し、サイトに出店いただいたお客さまの売り上げアップのお手伝いをしていました。これは、トラベル事業でも同様です。ITC と呼ばれる営業マンは宿泊施設のパートナーとして、楽天トラベルというプラットフォームを使って売上を伸ばし、目標を達成していただくために伴走します。

内田 ただ宿泊施設としては、自社サイトからの予約を伸ばしていこうとしています。その辺りはどのようにお考えですか。
 
髙野 そのスタンスは宿泊施設が収益の最大化を目指す中で、選択の一つであると言えます。そこで私たちは、楽天トラベルのサービスを利用いただくことの価値を提供していく必要性があると考えています。
 
 まず楽天グループならではで言うと、国内に約9340 万人の会員を持っているので、マーケティング活動などを行なう際、その方々にアプローチできることが大きなメリットとして挙げられます。楽天グループのサービスは多岐にわたりますが、会員ID は統一です。楽天トラベルに参画いただくことで、多数の楽天会員に対して、割引クーポンを発行したり、付加価値を加えた宿泊プランのプロモーションを行ったりすることができます。楽天トラベルを活用して、「宿泊施設みずからが集客する」ことを可能にしているのです。これを私たちは宿泊施設の「エンパワーメント」と呼んでおり、ミッションとしています。楽天トラベルに参画するかしないかは宿泊施設ごとの選択になりますが、これだけ多くの、そして多種多様な会員データを保有する企業は、ほかにはありません。
 
 もう一つ大きな特徴は、ITC の存在です。役割としては旅行のトレンドや地域特性をもとに、宿泊施設の持つ魅力を最大限に引き出し、より売上を伸ばしていただけるような、インターネットを活用したさまざまなマーケティングサポートを行ないます。すべての宿泊施設にそのようなスキルを持った方がいらっしゃるわけではないですし、ITC のサポートには価値を感じていただいていると思います。
 
内田 楽天単体でも5500 名を超える従業員がいらっしゃいますが、会社としての方針やメッセージはどのように発信・共有されているのでしょうか。
 
髙野 まず楽天全体のお話ですと、毎週月曜8 時から「朝会」と呼ばれる全体会議が行なわれます。1 時間ほどの会議ですが、社長が日本にいる場合は会議室に登場し、海外のオフィスなどにいる際はテレビ電話で参加して、経営状況や方針、メッセージを述べます。特徴的なのはインタラクティブな場であり、社長に対して直接質疑応答の機会が与えられることです。
 
 二子玉川にある本社では、全従業員が大会議室に集合し、またはテレビ会議システムを通じて参加します。トラベル事業でも週1 回、本社勤務の従業員は全員フロアに集合し、支社とはテレビ会議システムで接続して、役員や部長クラスによる報告や発信がなされます。私もそこで話をしますが、ときにはメンバーの従業員が話をすることもあります。
 
 部の管理については、私自身がトラベル事業の事業長として、部長クラスとの面談を月数回行ない、彼らやその部下の従業員が、高いパフォーマンスを発揮できる環境であるかどうかを常に確認していきます。全国の拠点にも年1、2 回必ず足を運び、その様子を知ると同時に、各拠点で働くITC への感謝も伝えるようにしています。そこには、「どれだけ大きくなろうとも、一人一人の成果の集合体が組織であり、個の力なくして会社は立ち行かない」という想いがあります。

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