ホテル・旅館のスパ経営における明暗の差が顕著になる中、長年スパの企画・運営に携わってきたザ・デイ・スパの河﨑多恵社長とともにスパ成功の秘訣を探る短期集中連載。シリーズ第7 回では、静岡県伊豆市の「東府やResort & Spa-Izu(以下 東府や)」を紹介する。和のリゾートホテルへのリブランドにあたってスパに期待したこと、スパが果たした役割や特徴的なトリートメントについて「東府や」の稲葉博幸支配人に聞く。
立地環境を生かした
ストーリーを描く
「東府や」は和の風情にあふれるリゾートですが、どのような施設構成になっているのでしょうか。
稲葉 「東府や」は伊豆半島の中央部の山間にひっそりと広がる温泉地、吉奈温泉に位置します。敷地内を流れる吉奈川に沿ってレストランやスパのある本館、温泉や宿泊施設のある西館、大正時代の趣を残す「大正館芳泉」、独立型の宿泊施設ヴィラスイート、足湯テラスを備えたベーカリーカフェなどの建物が点在しています。もともと日本旅館だった敷地と建物を、和とモダンなテイストを融合したリゾートに改装し「東府や」としてリブランドしました。キーワードは“発見感”。道を曲がると思いがけない景色が広がる。思わず写真を撮ってSNSで発信したくなるような工夫を随所に施しています。