1987 年4 月1 日、JAL ホテルズのリゾートホテルとして子連れファミリーを対象とするカジュアルなリゾートホテルとして誕生したのが、シェラトン沖縄サンマリーナリゾートの起源だ。この間、2006 年 イシン・ホテルズ・グループの買収、翌年契約満了によるJALホテルズの運営から撤退後、2016 年6 月、スターウッド・ホテルズ&リゾーツのシェラトンとしてリブランドオープン。同年12 月、森トラスト㈱がホテルと運営会社を取得するという道のりを経ている。1991 年より日本のホテル運営に携わり、今、沖縄の地でレベルアップを目指した人材採用、育成に全精力を注いでいるのが、フェリュス ジャン ラファエル総支配人だ。
福永 フェリュスGM は、シェラトン沖縄サンマリーナリゾートの総支配人としてご着任以来、オーナーが代わりシェラトンへのリブランドプロジェクトや新館の増築工事というめまぐるしい変化の中で、手腕を発揮されていらっしゃいます。沖縄のホテルの総支配人に就任されて、率直にどのようなことを感じられましたか。
フェリュス ジャン ラファエル(以下、フェリュス) 私は2015 年リブランド前に着任しました。リブランドは世界に通用するリゾートホテルとしてブランド力を高めるためです。ホテルとして三ツ星から五ツ星へブランドアップし、グループからFIT を主軸とした転換を図る中で一番重要である『人財』の採用そして定着の厳しさを痛感しました。全国的にホテルの人財採用は厳しい状況にありますが、特に沖縄は厳しい状況です。沖縄は今もホテルのオープンラッシュ、人財の流出が止まりません。地元の貴重な若い人財も、多くのホテルで奪い合う状況です。どんなに有能な人財でも沖縄に来たくなければ採用できません。中途採用においてもシングルの方は良いのですが、小学生以上のお子様を抱えているファミリーは子どもたちの進学を考えると家族とともに沖縄に移住することが難しく単身赴任となってしまいます。中には採用しても1 日で辞めてしまうケースもあり、人財の確保と継続性が難しい場所であることを痛感しました。
福永 最近はホテル業の人気が低迷し、ホテル就職志願者が年々減少傾向にあります。専門学校でもホテル科を選択する学生も減少するとともに、これまでは男性が主力だったホテル科も女性の方々も増えているという話もお聞きします。