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第1回 PART1 “NO STAY NO LIFE” 〜 オンリーワンの宿づくり ver.2 ~

MINIMAL LUXURY, 安藤忠雄建築のデスティネーション 瀬戸内リトリート 青凪

【月刊HOTERES 2017年11月号】
2017年11月03日(金)
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「地方創生」が言われる中、しっかりと地域に根をはり、ユニークな試みで、まっとうな経営を行なっているオンリーワンの宿がある。われわれは、そんな宿を伝えたい。本連載は、林田研二が、自身の目で優れた宿を厳選し、取材し、写真と文章で紹介する連載企画。第一回は、突如出現した四国で最も単価の高い宿、瀬戸内リトリート青凪を紹介する。


①『THE AONAGI スイート』天井高はなんと8m。一面ガラス張りの窓からは瀬戸内海の絶景が見渡せる


②『愛媛県出身の庭師・小野豊氏による作庭(中庭)』


③『THEBLUE』全長30m の屋外プール。瀬戸内の景色に融け込むような感覚に浸る


④『極上美食(夕食)-お造り』砥部焼きの器に盛り付けられ、多彩な美味が奏でる瀬戸内海の本格会席。味覚・嗅覚・視覚を震わせる芸術的なお料理


⑤『THE CAVE』本館地下1F プライベート温泉プール


⑥『フルフラット寝湯(世界初・寝ながら温泉)』約2m 四方の浴槽の半分が浅く水平フルフラット寝湯付き露天風呂。


⑦『クレマコーヒー』松山市の名店「カフェクレマ」のオリジナルブレンドを客室で


⑧『唯一無比のウエルカムドリンク(早生みかん特性オリジナルジュース)』


⑨『全室今治タオル』館内のアメニティなどにも、こだわり抜いた地元のものを採用している。そのほかに松山市・大和所谷のオーダーメイドの革草履の室内履きなどもある

宿泊そのものが “ アート”

 建築家の安藤忠雄氏はその著書『安藤忠雄 仕事をつくる』の中で、「建築はそこを行き交う人々の交流によって初めて完成する」とつづっている。すなわち、この宿を目指して国内外から来訪する感性豊かなゲストたちとそれを迎え入れるスタッフが織りなす空気感により、はじめて瀬戸内リトリート青凪という「アート作品」が完成する。

 重厚なコンクリートに囲まれた凪のような空間に身を委ねてみると、随所に配置されたスリットから差し込む光が時間とともにその表情を変える。天井高8mのシグニチャールーム「THE AONAGI スイート」の広大な窓が、瀬戸内のランドスケープを額縁のように切り取る。世界で唯一ここにしかない「フルフラット寝湯」を備えた半露天温泉スイート、「フランク・ステラ」氏による戦後アメリカの抽象絵画を代表するアート作品、水面の先に瀬戸内海がつながる全長30 mの屋外プール「THE BLUE」など、華美すぎない付帯施設や作品群が建築と調和し、MINIMAL LUXURY な滞在を演出している。

瀬戸内のミシュラン
 夕食は愛媛を中心に瀬戸内の旬食材をふんだんに使い、地元の食材や生産者の想いを一皿の料理に表現しており、瀬戸内発の新しいローカル・ガストロノミーがここで生まれようとしている。先附から水菓子までのそれぞれがストーリーとなっており、すべて料理長も含めた従業員のアイデアであるという。四国にミシュランガイドがあれば間違いなく星は取れるであろう。どんな変遷をたどって、現在のような高付加価値サービスを生み出すことになったのか、詳細はぜひインタビュー記事をご覧いただきたい。

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