「地方創生」が言われる中、しっかりと地域に根をはり、ユニークな試みで、まっとうな経営を行なっているオンリーワンの宿がある。われわれは、そんな宿を伝えたい。本連載は、林田研二が、自身の目で優れた宿を厳選し、取材し、写真と文章で紹介する連載企画。第三回は、世界遺産である山梨県・富士河口湖町の湖畔に佇む “新感覚ホテル旅館”「風のテラス KUKUNA」を特集する。
Local motion
和風旅館の並ぶ富士河口湖温泉郷の中では、異国情緒あふれる“ 新感覚 ” のホテル旅館であり、その存在感は他を圧倒している。増加するFIT(個人観光客)の潮流をいち早くキャッチし、外国人客・連泊者をターゲットにする目的で、レストランや客室のなどの改装を約23 億円以上かけて行ない2006 年に完成した。ディナーはハーフブッフェスタイルのコース料理であり、季節の食材や山梨県産の食材をふんだんに用いている。 驚いたことに社員は平均年齢20 代となっており全て地元で採用しているという。“ フレンドリー” をモットーとしており、パーソナライズなお客様サービスを提供している。
Global motion
世界遺産の構成遺産(河口湖)に属していることもあり、年間を通じ多くの外国人トラベラーがこのホテル旅館を訪れている。特に台湾外国人客が多いという。理由はSNS(ソーシャルメディアネットワーク)のInstagram で、ここを訪れたお客様が情報を発信したことが発端となったようだ。たしかに、展望館最上階にある9 階のグランドスパ「天空の湯」露天風呂では、富士山と河口湖が目の前に広がる生涯忘れることが出来ない絶景を体験できる。お湯につかった際に、浴槽の水面と河口湖の湖面が同じ高さになるように設計されているからだ。これぞまさにオンリーワンの「ウォーターテラス」である。