ホテルでもレストランでも企業でも、リーダーが変わると組織が同じメンバーにもかかわらずガラッと変わるから面白い。組織のトップはそういったリーダーから学ぶことも必要だし、また部門長もそういった資質を持ったリーダーをそろえることで組織全体を活性化させることが重要だろう。 もうずい分前の話だが、大阪の繁盛レストランの店長をしていたS 氏は給料を上げてやろうと給料の査定前に大きく営業成績を伸ばして本部に胸を張って報告をしたところ、「もっとやれ」と言われ、「それであれば」と奇策を編み出した。奇策と言っても閉店が23 時だったのを午前4 時までやるという、今ではどこでもやっているような深夜営業だったのだが、当時は斬新で売り上げが倍以上に伸びたという。
当時早朝までの営業は一般的ではなかったので、普通の組織であればもしリーダーが営業時間を延長しようと提案しても、スタッフから文句が出るなどして実現することはなかっただろう。しかし、S 氏の店のスタッフは彼の人格にほれ込んでおり、むしろ積極的に協力をしたという。
FROM THE PUBLISHER ——太田 進——
組織を「活かす/殺す」リーダー
【月刊HOTERES 2017年03月号】
2017年03月24日(金)