㈱ビーワンフード
代表取締役社長
公認会計士/税理士
廣瀬好伸氏
Yoshinobu Hirose
京都大学在学中に公認会計士試験に合格し、あずさ監査法人に入社。主に銀行の監査に従事し、銀行の融資ルールを実地で学ぶ。その後起業し、その経験・ノウハウと公認会計士・税理士というノウハウで、飲食業に特化した「お金の専門家」として飲食店の成長をお金の面から支える㈱ビーワンフードと税理士法人ミライト・パートナーズを経営。『1 店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)を上梓。
飲食店に特化してお金に関するコンサルティングを提供する株式会社ビーワンフードの代表取締役を務める公認会計士/税理士の廣瀬好伸氏が、お金にまつわるケーススタディーを語ることで、飲食店経営における問題点と解決の糸口を探っていく。連載第4 回は、「資金調達力のレベルを上げる⑴」というテーマで語っていただいた。
今回は、前回にお話しした「資金調達力のレベル」についてお話しします。
1 店舗にとどまらず、10 店舗、50 店舗100 店舗…とお店を増やしていきたい飲食店経営者の方はたくさんいます。そのときに必ず必要になってくるのが新規出店のための資金調達です。
さて、皆さまに「貸すか貸さないか」を銀行の中の誰が判断しているのでしょう。まずは、皆さまが日ごろ接している銀行の営業担当者です。彼らが担当者として、皆さまの会社に「貸したい」と思わなければ始まりません。ただ、彼らも営業マンなので、基本的には「貸したい」のです。そして、融資案件稟議書というものを書いて次のキーマンである支店長を説得します。
担当者と支店長の間にもたくさんの人がかかわってきますが、やはり支店長の判断で融資が大きく左右されます。キーマンである支店長にはそれなりの権限が与えられていて「ある一定の融資限度額」までは支店長が「貸す」と判断すれば融資できます(支店長決裁)。この「一定の融資限度額」は支店によって変わることが多く、一般的には大きな銀行、支店の方がこの限度額は大きくなります。
店舗数が多くなる、つまり融資総額が増えてくると、そのうちこの限度額を超えます。そうなると最終的に誰が「貸すか貸さないか」の判断をするのでしょうか。それは銀行の「本部」です(本部決裁)。