㈱ビーワンフード
代表取締役社長
公認会計士/税理士
廣瀬 好伸氏
Yoshinobu Hirose
京都大学在学中に公認会計士試験に合格し、あずさ監査法人に入社。主に銀行の監査に従事し、銀行の融資ルールを実地で学ぶ。その後起業し、その経験・ノウハウと公認会計士・税理士というノウハウで、飲食業に特化した「お金の専門家」として飲食店の成長をお金の面から支える㈱ビーワンフードと税理士法人ミライト・パートナーズを経営。『1 店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)を上梓。
飲食店に特化してお金に関するコンサルティングを提供する株式会社ビーワンフードの代表取締役を務める公認会計士/税理士の廣瀬好伸氏が、お金にまつわるケーススタディーを語ることで、飲食店経営における問題点と解決の糸口を探っていく。連載第2 回は、「利益重視からキャッシュ・フロー重視の経営へ」というテーマで語っていただいた。
「利益は出ているけど、お金が増えない…」
こんな声をよく聞きます。
例えば、100 万円の利益が出ていたとしても、100 万円のお金が増えているわけではないですよね?
100 万円の利益が出ていたとしても、そこから最終的には税金が約3 割程度かかってきますし、さらに借入金の返済も必要です。仮に毎月の返済が50 万円とすると、利益100 万円-税金30 万円-借入金返済50 万円= 20 万円
となり、利益が100 万円出ても、実質的にお金は20 万円しか増えないということになります。
これ以外にも、仮に利益100 万円の構成として、
売上1000 万円-原価300 万円-人件費300 万円-その他経費300 万円=利益100 万円
であった場合、クレジットカード決済の売上があればその分の入金は遅れるので、売上が1000 万円あったとしても1000 万円の入金がその月にあるわけではないですし、原価も月末締めの翌月末払いの掛仕入であればその分の出金は翌月になるので、原価が300 万円あったとしても300 万円の出金がその月にあるわけではないですよね。こういったところも、「利益=お金の増加」とならない原因です。