リーダーに求められる先見力
「一過性でない価値の継続を」
内田 松野さんが考えるリーダーや経営者にとって大切なことはなんですか。
松野 企業の業種や規模に関わらず、どんな仕事においても目標を周囲と共有し、より一歩、二歩上を目指すようなモチベーションを部下が常に持ち続けられるよう、マネジメントしていくことだと考えます。
また現代のような変化の早い時代において、同じ仕事であったとしても技術の発展や新たなツールの登場によってやり方や成果が激変するというのはよく聞く話です。自分の視野にあるものだけではく、普段は意識の外にあるようなものも取り入れ、自分たちの畑に適したものにしていく積極性と柔軟性がより必要とされているのではないでしょうか。
内田 お仕事柄出張など多いと思いますが、ホテルを利用される際の基準や、求めるポイントなど参考までに伺えますか。
松野 ビジネスで利用する際は、快適さと機能性を重視します。私にとっての快適とは、ベッドが心地よいか、部屋は清潔に清掃された状態にあるかということです。この辺りは人によって異なってくるでしょうが、ベッドが快適で文句を言う人はいませんよね。機能性という点ではビジネスデスクが室内にあったり、照度がきちんと保たれている、こういったホテルを選んでいます。
内田 最後に読者へ向けたメッセージをお願いします。
松野 ホテルや観光業界では2020 年にオリンピックという、経済の起爆剤とも言えるビッグイベントを迎えることになりますが、大切なことはその盛り上がりをその後もいかに継続して残していくか、この一点に尽きます。地方においては集客のためのインフラ整備や人材育成など今後改善すべきさまざまな点があると思いますが、まずは世界の人に日本の素晴らしさ知ってもらう千載一遇のチャンスと捉えて、その顧客の中から一人でも多くのリピーターを作る。その取り組みが、2020 年以降の業績に大きく影響してくるはずです。
われわれは中央銀行として、その中でどういった方向に経済やシステムが変化し、日本国民、また今後の訪日外国人にとってどのような「円」の利用環境が適しているのかを皆さんとともに考え、施策として取り組んでいきたいと思います。
・インタビュイー
日本銀行 広島支店長
松野知之Matsuno Tomoyuki
【プロフィール】1967 年生まれ北海道函館市出身。東京大学経済学部卒業。89 年日本銀行入行。本店各局や大阪支店で調査役・企画役を経験し、2006年名古屋支店営業課長へ。その後発券局 総務課長を経て、13 年那覇支店長就任。那覇支店時代は、地元紙への寄稿やイベント講演など勢力的な活動を行なう。16 年6 月より広島支店長として現在に至る。広島は25 年ぶりの勤務で、今年の広島カープの25 年ぶりのリーグ優勝に再度めぐり合った。大阪では阪神タイガース、名古屋では中日ドラゴンズの優勝にも遭遇。
・インタビュアー
TOP CONNECT ㈱ 代表取締役
内田雅章Uchida Masaaki
【プロフィール】愛知県津島市出身。1994 年早稲田大学商学部を卒業後、三菱東京UFJ 銀行(旧三和銀行)入行。2000 年退行後、弁当販売業、マンションデベロッパー取締役を経て、30 歳で銀座のクラブオーナーに。その後、バリュークリエーション常務取締役兼、日本ベンチャー協議会事務局長に就任。04 年3 月㈱就職課を設立。14 年10 月より、国内トップ経営者とのインタビューをWeb 配信するTOP CONNECT サービスを開始。現在は「企業マッチング」を主としたコンサルティングを展開する。
【著書】『図解 人脈力の作り方』(講談社)
『スゴい人になる人脈力入門』(かんき出版)
『起業力入門』(ゴマブックス)
『1000 人の社長人脈を築く自分の磨き方』(きこ書房)など