プロフィール
大住 力(おおすみ・りき)
ソコリキ教育研究所 所長
公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」代表東京ディズニーランドなどを管理・運営する㈱オリエンタルランドで約20 年間、人材教育やプロジェクトの立ち上げ、運営、マネジメントに携わる。退社後、「ソコリキ教育研究所」(研修・講演・コンサルティング)を設立し、前職での経験を生かして、人材育成プログラムを企業などに展開している
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■ Case Study15
「組織に…全員周知の“ 当たり前” を徹底できるのか?」
ビジネスホテルを主体に経営、運営、展開し、急成長、拡大している企業のコンサルティングを行なっている中で、先方企業の悩みや課題をこのように説明されたことがあります。
「当社は、破産や倒産したホテルやその可能性がこの先大きな企業に対して、買収を行ない、資本を変えて当社が行なっていくという事業形態でここまで来ました。一般的に、これまでのホテル経営は、消費者、利用者がそのターゲットでしたが、当社は“C(消費者、顧客、利用者)”ではなく“B(企業)” なのです。ですが、その買収先の経営、運営移管後、皆、そのほとんどの移管先の企業が異なった会社でしたので、それぞれのサービスレベルがあったり、企業理念があったりして、なかなか移管後、運営が“ 一つ” にならないのです。企業の経営成長は、大変ありがたいことなのですが、それに反して、成長すればするほど、発展すればするほど、現場の運営に問題、課題が大きくなってくるのが現状です。こうした組織に、全員周知の“ 当たり前”を徹底できるのでしょうか?」という課題でした。
確かに、企業が異なれば風土が異なり、やり方もその方向性も、価値観も異なって当然です。しかし、なんらかの理由などで“ 一つ” にならなくてはならない時況が訪れます。そうしたとき、机上の論理ではなく現実レベルとして、“ 当たり前” のように周知徹底ができるのでしょうか?
これを解決させるものが、私の居たディズニーの世界で言うと“ マニュアル” や“ チェックリスト” というものになります。しかし、“ それは特別でしょ! ” や“ 自社と業界が違い過ぎでしょ! ” という方に向けて今回は、以下のような学説を説明しましょう。