“本人が幸せであってほしい”という思いで
学校環境作りに着手
2017 年11 月、学校創立90 周年を迎えるのが学校法人岩崎学園 横浜fカレッジ(前身、横浜洋裁専門女学院)だ。創立者岩崎春子氏は舶来文化で活気あふれる横浜の地に魅せられ、1927 年に20 代半ばで洋裁専門の学校を立ち上げた。苦難を乗り越えるとともに、故岩崎ともみ氏にバトンを渡し、時代を敏感にとらえる中、ファッション、ビューティー、ウエディングの3 本柱を形成、そして昨年、祖母、母の意を継ぎ、3 代目学校長として岩崎有紀子氏が就任。学生本人が幸せあってほしいという思いを胸に学校経営に着手した。
福永 貴校は歴史のある専門学校と聞いております。はじめにこれまでの歩みをお聞かせいただけますでしょうか。
岩崎 昭和2 年祖母が20 代半ばで洋装専門学校を立ち上げ、来年11 月で創立90 周年を迎えます。女性は結婚し家庭に入ることが常識の時代に、職業婦人としての道を歩み出したのが祖母の岩崎春子です。東京の洋裁学校に通う中、近い将来着物姿が当たり前の時代から必ず洋装が普及するという確信を持ち、「横浜洋裁専門女学院」を設立しました。空襲や学生のアイロンの不始末により校舎は2 度の全焼を経ながらも、横浜西口の復興を目指しファッションショーを開催したり、神奈川県下唯一の服飾専門誌「モード」を創刊するなど、想像を絶するバイタリティで困難を乗り越えてきました。その後、幼稚園を開園し、現理事長の代になってからは情報科学専門学校、リハビリテーション専門学校、デジタルアーツ専門学校開校など、時代の変化や時代が抱える問題解決するための学校であり続けるための改革をし続けています。日常、当たり前だった着物姿も薄れていき、ファッションの領域が拡がる中で、メイク、ブライダルと領域を広げ、2000 年には厚生労働大臣の指定による美容師養成施設「ビューティースタイリスト科」を設置しました。管轄が異なる学科を一つに学校で許可を得ることは簡単なことではありませんでしたが、トータルファッションスクールへの発展を遂げ、今日にいたります。