グーグル
広告営業本部
鍋嶌知子
統括部長
〈profile〉大学卒業後、シェラトン都ホテル東京に勤務、コーポレートセールスなどの業務を担当。その後、OTA 大手Booking.com にて旅行業界でのデジタル活用を提案する。Google では、中小・中堅企業向けのデジタル広告の推進を行なう。
インターネットがホテルの集客にとって欠かせないツールとなった現代。このシリーズではグーグル日本法人とともに、いかにしてこのツールを有効活用し、マーケティング戦略を立案していくべきなのかを研究していく。最終回は、前回に引き続きディスプレイ広告について解説する。
類似リマーケティングを活用し
新たな顧客層にアプローチ
ホテルの顧客を獲得するための誘導段階は認知層、宿泊興味層、予約層がありそれぞれのアプローチにはディスプレイ広告が有効に働くと話すのはグーグル広告営業本部の鍋嶌知子統括部長。前回は認知層について解説していただいたが、今回は宿泊興味層と予約層へのアプローチを考える。
「宿泊興味層とは、宿泊施設を探しているけれどもまだ具体的なホテルが決まってないユーザーのことです。この層には、類似ユーザーリマーケティングが効果的です。リマーケティングとは、自ホテルサイトを閲覧したユーザーがほかにどのようなサイトも見ているのかを分析する機能です。類似ユーザーリマーケティングは、リマーケティングリスト上のユーザーとウェブの利用状況がよく似た宿泊興味層に向けて広告を発信する手法です」。
ユーザーが直接そのホテルのウェブサイトに訪れていなくても、グーグルのデータ上にある類似ユーザーに広告を発信していくのだ。
「この広告手法では、リマーケティングリスト内のユーザーに共通している過去30 日間のウェブ上の関心事に着目します。例えば自ホテルのサイトに訪れたユーザー1000 人のうち700 人がゴルフのサイトを見ているのであれば、ゴルフ関連が類似ユーザーに入ってきます。短期間の情報を分析していますので精度が高いことが特徴です」。