今回の原稿はこれまでの連載とは違った視線から書かせていただこうと考えている。
ハラールやハラール認証取得に向けた取り組みがスピード感を増している。
これ自体、善しあしを議論の対象にするつもりはないのだが、これまでの私どもの姿勢は、特定の信仰や宗教に特化することは機会損出にもつながる懸念すら存在する以上、サービス事業現場は「普遍性」をより所とする姿勢は崩すべきではなかろうと結論づけさせていただいている。
まして「ハラール認証」の存在そのものがガバナンスなきまま進んでいる現状においては、認証を取得した事業者自身がその「意味合い」を本質的に理解できているかと言えば甚だ懐疑的と申し上げざるを得ない状況だ。
先日も大手ホテルグループの在京施設が「ムスリムフレンドリーハラール認証」を取得したとのリリースがなされていた。しかし、このリリースも実は「分かっていない人々」によって書かれたものであることが私どもにするなら一目瞭然で判別がついてしまう。この状況を憂うのである。
第2回
鳥井信宏 超実践的Inbound Tourim
第16回「ムスリム」知見者に学べ
【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月22日(金)