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第16 回 Golden Keys 黄金の鍵 ~ Hospitality の世界から~

第16 回 アイデンティティーとブランドイメージ

【月刊HOTERES 2016年06月号】
2016年06月24日(金)
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東出 江津子
(ひがしで・えつこ)
Etsuko Higashide
<プロフィール>ザ・キャピトルホテル東急 エグゼクティブコンシェルジュ。レ・クレドール ジャパン 前会長。明治大学卒業後、センチュリーハイアットリージェンシーに入社。宿泊部業務全般とアシスタントマネージャー業務を経験後、本格的にコンシェルジュとしてスタート。その後、メリディアングランパシフィック、フォーシーズンズホテル丸の内東京、ホテルニューグランドでシェフ(チーフ)コンシェルジュ(管理職)の経験を重ね、2015 年7 月よりザ・キャピトルホテル東急に移り、現職に。1990 年、レ・クレドール インターナショナルより指導を受け、レ・クレドール ジャパンの創設のための勉強会を東京で主催。1992年よりレ・クレドール会員。

アイデンティティーとブランドイメージ
 ある日コンシェルジュデスクを訪れた老夫婦が初めて海外旅行をする12 歳の孫娘に「ここにいる鍵のバッジをつけた人に相談すると何でも答えてくれるよ」と話しているのを耳にした。光栄であると同時に、ゲストが求める組織のイメージに恥じないよう努める大切さも痛感する。以前、コンシェルジュデスクの看板を掲げることがサービスに取り組む意思表示だと記したが、そのデスクに鍵のバッジをつけたコンシェルジュがいることでさらに強いメッセージを発信している。それはコンシェルジュ個人だけでなく、そのチームやホテルのサービスの質に対するメッセージであることを忘れてはいけない。
 
 昨今、レ・クレドールでも「アイデンティティー」(主体性)や「ブランド」といったことに注意を向けている。今まで“Servicethrough Friendship”のモットーのもと、14 項目からなるStatutes(規則)はあったものの、運営や活動においては各国や地域の自主性に任せていた。ところが近年、ロゴデザインや組織名の法的公式登録が各国で進み、規則管理委員会の設置、組織名表示、Golden Key バッジやドレスピン(私服時に着用するピン)の変更など、ホテルのチェーンやカテゴリーの枠を越えた組織としてのブランドエクイティ(資産価値)を明確にし、「アイデンティティー」を大切に守り、演出するために重要な基本的統一を試みる動きがある。
 
 レ・クレドール コンシェルジュ一人一人の日々の活動がゲストの経験につながりさらに心の中に形成されるレ・クレドールに対する「ブランド」になる。それを絶えず意識しながら、ゲストの視点に立って、演出、コントロールしていくことが組織の価値を守ることにつながる。そういったことを毎年の国際大会やゾーンでの大会などを通じ、全体で確認し合っている。

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