束の間の喜び
初めてワインを造った2009 年は、念願がかなった記憶に残る年であると同時に、これまでで最も大きな壁が私の前に立ちはだかった年でもあります。海外で自分のブランドを持つにあたり、ビギナーワインメーカーだった私の前を過ぎるのは目まぐるしい日々の連続で、数々の困難を乗り越えてワインの瓶詰までたどり着いたときに受けた感動は、今でも忘れられません。そんな私の挑戦は、現地でも注目を浴び『マールボロエクスプレス』という新聞で大きく取り上げられ、順風満帆のスタートを切ったように見えました。
しかし本当の苦難は、ワインを完成させた後に待ち受けていたのです。
第14回
木村滋久の NZワイナリー日記
第14回「巨大な壁」
【月刊HOTERES 2016年05月号】
2016年05月13日(金)