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第2回 鈴木 忠美 次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術 これからの人材育成

第 69 回「競争相手は昨日の自分」

【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月08日(金)
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頑張りたいと思いますは決意表明にあらず
 
 私が日ごろから嫌いな言葉の中に「頑張りたいと思います」という言葉と、もう一つは「今度お願いします」という風な二つの曖昧言葉がある。今年も新入社員が入ってきて今ごろどのホテルも活気に満ちていることと思いますが、そんな中で新入社員の最初の一大行事といえば、先輩社員やリーダーを前にして決意表明を述べることではないでしょうか。ところが未だにガッカリすることが、いつのころからかすっかり新入社員の定番みたいになってしまった「〇〇をして頑張りたいと思います」。という風な言葉尻を「思います」にしてしまったことで、これでは例えば男女とも異性にプロポーズするとき、私はあなたのことが好きだと思います、というようなニュアンスになり、言われたほうにすれば「ハア」。思いますって何よと相手の頭を疑がってしまいそうな、曖昧言葉を許していて本当に良いのかということと、そしてもう一つは新入社員に指示を与えたとき、では今度やっておきますとか、今度調べておきますとか、今度食べてみますなどの「今度」という言葉も実は言い訳を許すもと。リーダーは常にいつまでにという約束事は期日指定で指示を与える癖を、今からつけておくべきだと私は思うのですがいかがでしょう。
 
昨日より今日が例え一歩でも良いから前進する
 
 私が講演などでよく受講者の皆さんにお伝えすることは、昨日の自分とまったく何も変わらない今日の自分があったらだめであるということで、昨日よりは今日、今日より明日が例え一歩でもいいから前進しようということである。そんな中、偶然にも知人のMさんが昨日、ニュアンスは違えど同じような意味合いのことを、言葉を変えてメールで発信していた。それは競争とは他人とするものではなく、昨日の自分とするもので、本当の競争相手は昨日の自分。そして、成長とは昨日できなかったことを今日できるようになること。常に成長し続けるものが最も強くなります。だから強い他人は競争相手とみるのではなく、自分の足りないところを教えてくれる最高のアドバイザーなのだと思うことです、という内容でした。私はそのことが分かっているだけに、遊びと仕事の区別は特につけないで、遊びに行ったときでも「真似て学んで俺流に変えていく」。つまりいつなんどきでも常に周りから謙虚に学び成長し続けているのです。
 
バリアフリー化の総点検
 
 足腰が不自由になってしまいやむを得ず車椅子を必要とされているお客さまや、高年齢層に伴って杖を必要としているお客さまに合わせて、最近やっとどこのホテルも玄関先だけはバリアフリー化されたのは、誰もが容易にホテルを利用できる点でとても喜ばしい限りである。また少し遅ればせながらも同じように、車椅子も入れる多目的トイレの完備も今、やっと地方のホテルでも当たり前化してきているのに、なぜか一つだけ未だに手つかずのホテルが多いのが、洗面所やお風呂場の出入り口の段差である。実は昨日泊まってきたホテルも、洗面所を使うたびに28 センチもの段差を何度も昇り降りするのは、まだまだ若いと思っていた私の年齢でも辛さを感じたのに、ホテル側がまったく気にならないのはお客さま目線で仕事をしていないからである。そういうことをチェックするのがリーダーの役目で、改装が容易でないならせめて出入り口に踏み台を置くなどの配慮が欲しいものである。

おもてなしの達人
鈴木 忠美
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。

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