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第88 回 鈴木忠美 次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術 これからの人材育成

第 88 回 「お客さま目線とのギャップ」

【月刊HOTERES 2016年01月号】
2016年02月19日(金)
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返事の一声でお客さまを不快にすることも
 先月友人と市内では中クラス程度の雰囲気のする町外れのレストランに入りました。「禁煙席はどこか」との問いかけに対し「当店は全席喫煙席です」。今どきこんなレストランがあるのだとちょっとガッカリしたが、気を取り直して少しでも無難そうな端のテーブルに陣取ったつもりだったが、その後に一人で入ってきた女性が隣に座ると同時にタバコを吸いだした。その後すぐ料理が出てきたが、息を吸うたびに食べている料理にタバコの香りが自然にミックスし最悪の料理を味わうことに。だが不思議なもので一つ不快に思い始めるとなぜかすべてがマイナス評価に変わってしまう。よく見たらスタッフの制服が結構汚れているのが気になり、またきわめつけは二人で入ってきた男性客がオーダー直後に、店内がまだ空いていることもあり、スタッフに向かって「すみません、端の席に移ります」の声に、「あっ、はい」と言うふうな、不満げとも取られかねないような返事を返していた。私なら明るい声に笑顔をプラスして、「あっ、どうぞ」と言って、お客さまの水グラスも移動してあげるのに、こういう返事をされたお客さまは次も足を運ぶのだろうか、たかが返事、されど返事。自分が現役リーダーなら当ホテルのスタッフは大丈夫かなと気になるところである。
 
ノーサインの嬉しい気配り
 私が秋田の企業から指導を頼まれて行ったときの話である。ホテルの駐車場に車を止めて2 階からエスカレーターでロビー階に降りる私の姿を見つけた女性スタッフは、すぐさまフロントに走りルームキーを持ってきて渡してくれたほかに、駐車券をどうぞと預かって、また彼女はフロントに走り処理をしてくださった。つまりいつもの面倒な手続きを一切はぶいてくださったのである。考えて見ればよく知っている常連客に毎回毎回「お名前と住所と電話番号をご記入お願いします」にはうんざりする。リーダーの皆さんも他ホテルに泊まりに行って私と同じことをされたら嬉しいと思うのですが。

鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。

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