こちらで常々言っている“Beyond Tokyo”という言葉。訪日外国人が東京など一部の都市に集中をしている現状では観光立国とは言えない。各地域がそこでしか味わえない経験を提供することが重要であり、そこで食が果たす役割は大きいと言える。
今年5 月に伊勢志摩サミットが開催される。このサミットでどのような料理が提供されるかは“Beyond Tokyo”を示すためにも非常に重要だ。メイン開催地は賢島にある志摩観光ホテルクラシックだが、総料理長である樋口宏江氏は同ホテルの元総料理長 高橋忠之氏の哲学を引き継いだ方であり、きっと伊勢志摩、賢島の魅力をしっかりと伝えてくれるであろう。私は高橋氏の料理を22 歳で初めて食べ、涙があふれてきた。これほどまでに人に伝わる、感じられる料理を食べたのは後にも先にも高橋氏の料理だけであった。それは、高橋氏の料理に込められた壮大な哲学が故であった。
FROM THE PUBLISHER ——太田 進——
どうだ、旨いだろう
【月刊HOTERES 2016年01月号】
2016年01月08日(金)