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第201回 北村剛史の「新しい視点『ホテルの価値』向上理論〜ホテルのシステム思考〜」

第201 回『ホテルの賃貸借契約条件(海外で見られる賃貸条件②)』

【月刊HOTERES 2015年12月号】
2015年12月25日(金)
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 前回ご紹介した通りホテルの賃料およびその他賃貸借契約条件は、国によって異なり、またホテルタイプによっても差異が見られます。それらホテル賃料がどのように決定されているかについては、ホテル所有者の所有目的や各国ホテル経営者が社会的かつ制度的にどのような制約を有しているかによって大きな影響を受けているのです。それら制約には、税制や会計基準、法律をはじめ、地域別に求められる直接金融や間接金融のホテルに対するスタンスの違いを含み、所有者側に投融資する際にどのような賃料を求めているのか等といった外部要因影響が大きな影響を与えています。例えば、制度的にもまた関係者の知識的にも十分に成熟したファイナンス環境等外部環境を前提とする国やホテルマーケットでは、ホテルの事業リスクに対して高い知識を有していることから、変動賃料あるいは、固定賃料と変動賃料を組み合わせたハイブリッド型賃料、あるいは複数の計算式から求められる賃料のうち高く求められる賃料条件等を採用する等の傾向が見られます。一方で、市場黎明期であるホテルマーケット環境では、当事者がホテルに関する事業リスクに十分な知識がないことから、事業リスクをできるだけ排除しようとするため、オーナー側の投資採算性がより重視される傾向が見られます。その結果、要求利回りを含めた諸経費を加算する積算賃料等オーナー側の賃料理論に基づく賃料条件が強く求められる事例が多く見られることになります。

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