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高桑 隆の「良くも、悪くも、大変化。今日本の農業と『食』を考える」

第3回 JAグループは都心にビル群保有、農林中金は過去最高決算。“農業”が見えない農団体&農企業

2015年11月30日(月)
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では、これら一等地に建つビルが、大いに活用されているのだろうか? 下は、11月下旬の土曜日昼、JA全農新宿ビルの正面玄関である。
守衛さんが独り、することもなく座っていた。表に、入居事業所の一覧もなくどこの会社がテナントとして入っているかは不明だ。でも表示されなくても分かる。金融業や投資関連、そして少しの農業関連事業会社、JAグループ企業が多数入所しているのは間違いない。


11月後半の土曜日ではあるが、まるで閑散としたJA全農新宿ビルの正面玄関

 
大手町のJAビルに話をもどそう。このビルに初めて、「農家レストランセミナー」の営業に行ったときである。だだっ広い一階正面入り口には、長い受付カウンターがあった。どこかの上場企業のように、スレンダー髪の若い女性が“本日はお約束がございますか?”と問いかけてくる。
 
約束やアポイントが無ければ、入所することはできない。内線電話で確認を取り、またはPC画面でアポイントを確認する。そしてカードをもらい、鉄道の改札口のようなゲートにそれをかざして、初めてJAビルに入ることができるのだ。最新のガードシステムが完備している。
 
凄い…とは思うが、これが本当に“農業の未来形”なのだろうか?


11月後半の土曜日、平日はしっかりガードされているJA全中大手町ビル

 
しかし、もし約束やアポイントが無ければ入ることはできないし、無理やり入ろうとすれば、屈強なガードマンに取り押さえられる。写真には、鉄道の改札口のようなゲートが、青く光っているのが見える。
 
素朴な疑問が湧く。JAは、本当に農民の団体なのだろうか…? この東京都心のビルに、畑からあがってきた農家のおじさんが、長靴姿で気軽に“今度耕運機買いたいと思っているのだけど…”などと来ることが可能だろうか?
いや、来ることは無いし、来ても追い返されるだけだ。
 
再度問う!今のJAは、本当に農民のための団体なのか?
それとも単なる、金儲け目的のファンドなのか…? TPPが本格化するこれから、JAの存在意味が真に問われるときが、もうそこまで来ている。


豊かな実りの季節を前に、静かな時が流れる、会津平野の水田地帯

フードビジネスカウンセラー
㈲日本フードサービスブレイン 代表取締役
高桑 隆
Takashi Takakuwa
1950年北海道生まれ。神奈川大学経済学部経済学科卒業。74年、公開経営指導協会小売業通信教育「売場管理実務講座」文部大臣賞受賞。75年、㈱デニーズジャパン創業期入社。99年、㈲日本フードサービスブレイン設立。2000年居酒屋トレーニングセンター「長鳴鶏」を開店、脱サラ・独立開業支援。01年サッポロビール21世紀会(帝国ホテル)他、年間30回以上講演実施。02年法政大学にて「店舗独立開業講座」を開設、06年度第6期まで開講。04年服部栄養学園調理師専門学校で、フードマネジメント科目担当。05年産業能率大学非常勤講師に就任、ショップビジネス科目担当。06年桜美林大学非常勤講師に就任、フードサービス産業論担当。08年コンサルタント会館レストランマネジメントコンサルタント講座開設。

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