店舗内観。ライブキッチンがある店舗ではシズル感も調味料のひとつだ。料理人たちがお客さまに心がけている適度な距離感が心地よく、時に交わす彼らとの会話も料理を美味しくしてくれるエスプリだ
“和（日本）を想い、和牛を世界に伝道する”をコンセプトにした隠れ家的和牛割烹が銀座に誕生した。その名は、神戸牛、松坂牛、米沢牛、前沢牛などの最高級黒毛和牛に独自の仕入れルートを持つ「銀座 和牛想榮」だ。同店はこれらA5ランクの厳選牛に関する仕入れ力を強みに、イノーベティブな和牛料理を提案している。
卵ではなく、下関産天然トラフグの白子（※季節によってフォアグラなど、旬の食材に変わる）とあわせて食す想榮スタイルの“すきやき”。割り下にはシェリー酒と津軽りんご100％のジュースが使われており、濃厚な食材を組み合わせてはいるが、すっきりとした味わいに仕立ててある
“フレッシュキャビアと牛肉タルタル”。キャビアは世界的に星付きレストランでも数多く使われている千島湖産のオシェトラ。上質なキャビアが牛肉のタルタルの味わいを引き立てており、ついついお酒がすすんでしまう一品だ。共に提供されるそば粉のブリニは鉄板で一から手焼きされている
ちなみに同店は、季節ごとの旬の食材とその日の最良の仕入れをした黒毛和牛から仕立てる12品のコース料理一本で展開している。食材はもとより、和に縛られることなくフレンチやイタリアンの技法もフュージョンさせた料理で構成されたコースは、生肉から焼き、煮込みなど牛肉の美味しさをさまざまな形で堪能でき、牛肉好きにはたまらないラインナップとなっている。
サービス精神旺盛な料理長。写真のリクエストをすれば、笑顔で応えてくれる
同店は、ロケーションは銀座8丁目の華やかなエリアにありつつも、隠れ家的なビルに位置することから、落ち着いた空間で牛肉の美味しさを楽しむことができる空間になっている。さらに同店のホスピタリティは、グルメ会、特別な日の会食、旅行者であるインバウンドはもちろんだが、ビジネスで来日するエグゼクティブ接待などにも適ったクオリティを誇っている。
和牛を魅力にする店は数多くあるが、大人に心地よい店が多いかといえばそうともいいきれない。そんな中、同店の誕生は、大人の街・銀座に大人が楽しめる和牛割烹ができたといって過言ではない。ぜひ、訪れてみてもらいたい。
銀座 和牛想榮
URL：https://ginza-souei.jp/
“牛肉の和風煮込み”。米沢牛のランプ肉とランイチの赤身を、昆布、カツオ、蛤の出汁で蒸し煮してある。滋味と旨味を存分に味わえ、肉と魚介、2種類の出汁の出会いを楽しめるように仕立てた一品
サーロイン、フィレ、ランプの部位の生を味わえる“牛刺し”。味と質、そして鮮度が揃った三つ巴の肉を仕入れられるからこそ提供できる自信の一品
こちらも生のサーロイン、フィレ、ランプを楽しめる“牛寿司”。中でもサーロインを叩いたものとタクアンを併せた“トロタク風”は珍しさと共に必食のおいしさだ
“シャトーブリアンステーキ”。シンプルに火入れされたサーロインには奥能登の天然塩、甘口の薩摩醤油、紅芯ダイコンのポン酢、静岡県産山葵に生のブラックペッパー、オリーブ、オイスターソースを合わせたオリジナルソースと5種の調味料が共に提供される
店内は古民家から移築した100年物の梁が各所に張り巡らされている。同店開業においては和の寝殿造りからインスパイアされたデザインを取り入れており、銀座から“和”の伝統とモダンなデザインを融合した清新が同居した空間を提案していく
個室には、日本夜景遺産にもなっている国会議事堂のライトアップを観ながら食事できる部屋も。ライトアップが美しいランドタワーはあまたあるが、国会議事堂は周辺が皇居や官庁となっており、周辺が比較的暗いため他の名所とは違った美しさに触れることができる
担当：毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp
