賃していたホテルが退去し事業者と運営を担う形に
----ご開業おめでとうございます。まずは事業主であるミナトクリエイト社について教えてください。
木下 当社は 1998年に創業し、商業ビルの賃貸業をメインに、不動産開発や買取も行なってきました。海外では、ホノルル 5軒、パリに 4軒、区分所有のレジデンスを所有しています。また、そのほかの事業として、全国 15カ所で太陽光発電事業を行なっています。ホテル事業には今回が初めての挑戦になりますが、かねてよりホテル様への物件賃貸事業は行なっており、またホスピタリティの面では非常にホテルに近い、ゴルフ場の経営も行なってきましたので、あまり抵抗なく参入することができました。
----ホテル事業に事業主として関わろうと決めたタイミングはいつ頃だったのでしょうか。
木下 2020年にコロナ禍に入ってからです。「ジャストスリープホテル大阪心斎橋」のビルは、元々弊社が別のホテル企業様に貸していたものですが、新型コロナの流行で民事再生の適用となり、退去されてしまいました。その物件を、一度は売却という話も出ましたが、コロナ禍では買いたたかれる傾向にありました。幸い弊社の他事業は堅調でしたので、コロナ禍が終息するまで時期を待とうと決まったタイミングで、「ジャストスリープホテル」ブランドを経営するシルクスホテルグループからお声がけをいただいたのです。そして、マネジメントをお願いする形で連携し、弊社は事業者と運営を担うという形で、開業に至りました。
----シルクスホテルグループについて教えていただけますでしょうか。
パン 1990年に創業した台湾最大のホテルグループで、手前味噌ながら、台湾の観光業界ではリーダー的な存在だと言われています。私たちのグループのフラッグシップホテルであり五つ星を獲得している「リージェント台北」をはじめ、同じく五つ星を獲得する「シルクスプレイス」や、温泉をベースにした「ウェルスプリング byシルクス」など、台湾全土に合計 15件のホテルを展開しています。さらに、レストランやショッピングモールなども経営しています。
また2018年には、「リージェントホテル」の株の 50%を世界的ホテルグループである IHGグループに売却し、「リージェントホテル」については、同グループの傘下に入りました。現在は、「リージェントホテル」として海外に 8軒のホテルを持ち、今後さらに重要な都市や有名スポットにオープン予定のホテルが 8軒あります。そういった状況の中で、この度日本に初進出した「ジャストスリープホテル大阪心斎橋」は、“街の中にある、便利で快適なデザインホテル”という位置づけで、ここ大阪でいうならば、アメリカ村や心斎橋など、地域に特化したブランドになります。