店舗外観。山下公園の第三橋ふ頭寄りで長年、レストハウスとして利用されてきた施設を、「THE WHARF HOUSE 山下公園」として改造改築したのだ。同店は、レストラン、ギフトショップ、足湯、そして日中は(一部)無料休憩所と、さまざまな用途で楽しめ、横浜観光の新たなホットスポットが誕生したといえる
㈱ゼットンが、じき100年を迎える山下公園の歴史に新たな顔を誕生させた。同地初の飲食機能を持つ施設、「THE WHARF HOUSE 山下公園」だ。「マリンタワー」、「山手十番館」など、横浜のシグネチャーともいえる施設を運営してきた同社は、山下公園にも以前から思い入れがあったといい、横浜市がまだ公募を募る以前から企画書の作成に取り組んでいたという。本取組みは、Park‐PFIを利用し、横浜市と同社が代表法人を務める「山下公園再生プロジェクトグループ」の共同プロジェクトだ。「山下公園再生プロジェクトグループ」は㈱ファンケル、横浜エフエム放送㈱、三菱地所㈱、㈱ケイエムシーコーポレーション、サカタのタネ グリーンサービス㈱、㈱tvkコミュニケーションズ、㈱ありあけと地元横浜を代表する企業が構成法人として名を連ね、いずれも同社の強い思いに共鳴し、共に横浜を盛り上げるべく、山下公園の活性化に取り組んでいるという。
公園内には複数の芝生広場がある。そこで、レンタルシート付きのピクニックセットを楽しむことができる。プロジェクトチームの構成法人のひとつである、サカタのタネにより手掛けられる美しい植栽も魅力だ
今回の再生で、同施設は観光導線上の休憩所「レストハウス」としての機能は維持しつつ、日常的な公園利用に加え、新たな体験スポットとして目的来店を促していく予定だ。施設横のロッカーや足湯はジョギングを楽しむランナーやヨギーナたちにも利用してほしいといい、さまざまなセグメントで山下公園を愛するひとびとに寄り添っていく。その姿勢はコンテンツの創生にも反映されており、“このロケーションにこんなものがあったらいいのに”というお客さま目線から深掘し、横浜港に面した足湯スペースやさまざまなPHOTOスポットを設営し、またメニューラインアップも地元食材、地ビールなど横浜(神奈川)の食の魅力発信ステーションとしての役割も担うことを意識した。
山下公園はロケーション的にもストーリー的にも横浜を代表する観光スポットであるにも関わらず、ナイトタイムの活用がこれまでほぼ手付かずであり、非常にもったいない状態が続いてきた。今回、「THE WHARF HOUSE 山下公園」ができたことで、空白だったナイトタイムコンテンツに息が吹き込まれ、新たな時代が幕を開けた。将来的にはマリンタワーとのコラボなども検討するなど、20年計画でブラッシュアップしつつ、山下公園エリアの新時代を創生していくという。最近はインバウンドによるみなとみらいから赤レンガへの観光も活性化しており、ぜひ、赤レンガから山下公園への導線も作り、横浜のインバウンドスポットとしても成長してもらいたいと願うものである。
THE WHARF HOUSE 山下公園
https://wharfhouse-yokohama.zetton.co.jp
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp