上場企業として創立 50周年を迎えられたのは社会から必要とされ る事業を続けたから
----創立 50周年を迎えるリゾートトラストは、どのような形で会員制リゾートホテルを展開していますか。
1973年創業のリゾートトラストに、私は 2000年に入社しました。今年入社 23年目ですから、50年の歴史の約半分を過ごさせていただいています。入社当時は「エクシブ」の新規開業が盛んで、琵琶湖、蓼科のホテルが開業したばかりでした。会社は「これから積極的に新しいホテルを創っていくぞ」という気運が高まっていました。2000年 11月には東証一部上場を果たし、概ね毎年1施設のペースでホテルの開業を重ねました。
会員制リゾートホテルも「グランドエクシブ」「サンクチュアリ・ヴィラ」「離宮」「ベイコート倶楽部」と増えていき、今回の「サンクチュアリコート」を岐阜県飛騨高山で開業することになりました。
リゾートトラストは「信頼と挑戦」をキーワードに、常に新しいことに取り組んできました。企業も人も挑戦しなければ成長できないと信じて弛まぬチャレンジを継続した結果、創立 50周年を迎えることができたのだと思います。
創立 50周年を迎えられる企業は数少ないと言われる中で、当社がそれを達成できたのは「社会から必要とされている」ことが大きいと考えています。リゾートトラストが手掛けているホテル、レストラン、メディカル、シニアライフ、ゴルフなどの事業は、会員の皆さまの声に耳を傾け、その内容をスピード感のあるアクションで実現し、その時々で必要な成長を果たしてきました。これまでの歴史を踏まえながら、素晴らしい企業で仕事をしているという誇りを強く胸に刻んで、私たちは未来に向かってこれからの時代を担っていく必要があります。
----会員制リゾートホテルにおけるオペレーションの特徴は、どこにあると考えていますか。
会員権を購入してくださった会員さまにとって、会員制リゾートホテルは登記もされた所有物になります。ですから私たちはお客さまに対して「お帰りなさいませ」という言葉を掛けているのですが、その言葉は訪れる皆さまの胸に響いていると実感しています。会員権を購入いただくことでホテルは第二の我が家になるわけですから、「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」の代わりに、「お帰りなさいませ」「行ってらっしゃいませ」という挨拶をさせていただく形がふさわしいと言えるのです。
お部屋の鍵も「お渡しする」のではなく「お返しする」という気持ちを大切にしながら、私たちはホテリエであると同時にお客さまの第2の我が家を守る管理者でもあることを忘れないように心掛けています。このようなスタンスは、他のホテルにはない特徴と言えるでしょう。
また、会員情報の活用によるサービスの向上も特徴的です。入会時に得られる生年月日、家族構成、会社の記念日、趣味嗜好といった会員情報に基づいて、はじめての利用時からパーソナライズされた手厚いサービスを提供できるという大きな強みがあるのです。
各ホテルがあるエリアごとに担当営業を置き、日常的に会員の皆さまのサポートを行なっていることから常にお客さまの情報が入ってきます。担当営業がホテリエに情報を伝えることでより高いレベルでのサービス提供につなげ、サービス後は現場で得られた新たな情報をホテリエから担当営業に伝えるといった仕組みで動いています。
毎月、頻繁にご利用される会員さまもいらっしゃいますので、ホテリエもサービス面で常に新しい仕掛けを考えながら取り組む必要があるという面白さがあり、そのことがリゾートトラストのホテルで働く人の人間としての成長につながっていきます。会員の皆さまは富裕層の方々で、経験豊富で目の肥えた方、経営者層が多く、そういったお客さまから直接さまざまなことを教えていただけるというのはとても大きなやりがいを感じられる面があると思います。