「人は城」、「人は石垣」、「人は堀」“人”が中心となる事業を核に成長を継続
----現在 18軒のホテルを運営されています。今後の成長戦略など教えていただけますでしょうか?
コロナ禍に入り私たちのところにも多くのリブランドなどご相談をいただくことが増えました。これは私たちにとって大きなチャンスではありますが、一方でかなり慎重に案件を選んで来ました。そして、これからは運営ホテルを増やす時期だと考えています。コロナ禍はまだ収まっておらず、第9波の可能性もあるとは見ていますが、慎重になりつつも、良い案件であれば積極的に出店をしていきます。
また、これまでは企業としての体力が乏しかったので MC(ホテル運営受託契約)や固定賃料+変動賃料での展開ばかりでしたが、これからは内容によっては固定賃料での出店や、さらには投資家様との共同投資なども視野にあります。出店方法の選択肢が増えたのは大きな変化です。
そして、さらなる展開も視野にスタッフの給与の大幅なアップを実施しました。運営ホテルおよびグループ会社運営ホテルの正社員(新卒者を含む)及びその他社員の最低給与を月額 260,000円としたのは、業界内ではなく、異業種も含めて魅力あるレベルにしたいと考えたからです。その結果、退職を検討していたスタッフも結果として働き続けることを選んでくれていますし、さらに、これまでにはなかったほどの転職希望者がやってきてくれています。
これによって、社内も活性化しています。これまでスタッフ不足で現場に負担をかけているところもありましたが、新しいスタッフを迎えることでそれが解消され、さらに新しい血が入ることで新しいアイデアも生まれています。
旅行市場は日本にとって大きな産業であり、未来があります。人不足でスタッフが疲弊して縮小するといった状態が続いているようでは未来がありません。
----最後に、今後の事業展望について教えて下さい。
私たちは今後3本の事業を柱として成長をしていく予定です。その3本とは「観光」、「社会福祉」、「児童福祉」です。私たちは昨年 10月にグループ事業として児童発達支援や放課後等デイサービスを手掛けるコアヴィレッジをスタートさせました。これは 2024年までに 30店舗ほどの展開を目標としています。また、障害をもった大人の方の支援を目的とした就労継続支援 B型事業も開始し、お子さんから大人まで幅広く支援を提供できる体制を構築していきます。
コアヴィレッジ事業も就労継続支援事業もホテル事業とのシナジーがあり、相互の相乗効果もあって 2024年 3月期には年商 300億円という目標が現実味を帯びてきました。
武田信玄の言葉で「人は城」、「人は石垣」、「人は堀」という言葉があります。私たちはその“人”が中心となる事業を核として、今後も成長を続けて参ります。