フラッグシップブランドの「THE BLOSSOM」を創生。京都では地域共生を目指す新たな取り組みも
----フラッグシップブランドの「THE BLOSSOM」はどのような観点から立ち上げられたのですか。
グループを上げて幅広い客層を獲得していこうという考えです。コロナ禍となる前はインバウンドも含めて高級志向も現れ始め、ホテル業界の流れもさらに上級な宿泊特化型ホテルを開発する傾向が強くなっていました。そうした潮流から当社も「ブラッサム」のワンランク上のブランドを早い段階から検討しておりました。
----「THE BLOSSOM」はどのぐらいの価格アップを想定しているのですか。
例えば「THE BLOSSOM HAKATA Premier」だと、既存の「JR九州ホテルブラッサム博多中央」に対して 3割~4割アップとなります。ベンチマークはホテルオークラ福岡さんなどのフルサービスホテルが競合になってきます。
----昨年8月には、京都に「THE BLOSSOM KYOTO」を出店されましたね。
京都は日本有数の観光地で、観光業者であれば目指していく場所だと思います。そこに出店するので、かつて東京に出店したときと同じようにチャレンジしていくという姿勢で参入しました。また、ホテルブランドがひしめく京都で選ばれるために、地域の方々の力を借りることしたのです。
例えばゲストラウンジには、国の伝統的工芸品に指定されている京繡(きょうぬい)や京焼きの作家による作品を展示したり、清水焼の工房での作陶体験のオプショナルツアーも用意しています。
そもそもホテルはその地域のポータルであると考えています。京都は奥が深く、ホテル周辺も古い町並みの中にガイドブックでも見ないような興味深い店がたくさんあります。こうしたところとつながることで地域とよい関係性が築けるのではと思いました。近所付き合いを含めて信頼関係を構築していくことで地域との共生が成せると考えております。
----開業後の手応えはいかがですか。
手ごたえを感じています。同ホテルのレストランパートナーである ONO GROUPは福岡舞鶴に第 1号店を出店した言わば同郷の企業ですが、元気とパワーを持っています。ホテルのレストランに対しても考えをぶつけて、委託以上の関係性を築くことができています。
京都らしさや九州らしさのある朝食をはじめ、自分たちもホテルスタッフとして動きたいとの意向からチェックイン後にはお茶やお菓子を提供してくれています。ちなみに朝食付きプランの場合は、昼の時間帯にパスタなどが食べられるライトミールチケットも付きます。
また、朝食券を昼に使えるホテルはありますが、当ホテルではチェックアウト日の夜までコース料理を利用できます。それぐらいチャレンジしています。ホテルスタッフも刺激を受けており、レストランが顔になることを改めて気付かされました。