ボランティアで観光案内を始めたことから歯車が動く
私は最初からホテル業界に従事していたわけではない。62 年3 月に立教大学を卒業し、某銀行に就職。ここまでは、一般的な人生を歩んできたと思う。だが、同年に人生の転機が訪れる。前出のエドワード・カールソン氏からの1 通の電報が届いたからである。
発端は、私が立教大学在学中にロータリークラブの世界大会が東京であり、シアトルから来日したナップさんご夫妻をボランティアで観光案内したことに始まる。ナップさんは別れ際に、「平尾くんは卒業後、どうするのか」と質問してきた。続けて「シアトルにホテル会社の社長をしているエドワード・カールソンという友人がいるので紹介したい」と言ってきた。
正直、私はホテル業界に興味はなかった。だが、ナップさんの押しは強く、「君はまだ若い。人生は長いのだからカールソンさんに会ってから判断してもよいのではないか」と言われたことに心を動かされ、翌日履歴書を手渡した。これがのちの人生の転機につながっていくのである。
第1回
新連載 平尾彰士の「出会いの不思議な力 ~人生を変える出会いは誰にでもある~」
第1 回「エドワード・カールソン氏との出会い(前編)」
【月刊HOTERES 2015年11月号】
2015年11月06日(金)