ビジネスの多くの成功者が、年を重ねて思うことがある。「今の自分があるのは、あの時、あの出会いがあったからだ」と。日本人で初めて、スターウッドホテル&リゾート日本・韓国・グアム地区社長に就任した平尾彰士氏。本連載を通して、平尾氏が経験したことをもとに、次世代の経営者や若いホテリエにメッセージを伝えていく。
日本スターウッドホテルの
初代会長
これから隔週に渡り連載することになった平尾彰士です。私は1940 年2 月香川県に生まれ、サンフランシスコ都ホテル(ウェスティン運営)副支配人、ウェスティンホテルアジア地区副社長、1998 年ウェスティンとシェラトンの合併に伴い、スターウッドに社名変更を経て、2001 年1 月にスターウッドホテル&リゾート日本・韓国・グアム地区社長に就任。06 年4 月に日本スターウッドホテル株式会社会長に就任、06 年12 月に退職。08 年4 月に立教大学観光学部特任教授。10 年3月に同退職。現在に至る。
これだけみると、私は順風満帆の人生を歩んできたように思われるかもしれない。紆余曲折の苦しい時代もあったが、幸いにも運に恵まれ、自分のやりたい仕事を自由にやり、ある程度の結果を残すことができたことは自分でも満足している。ここで私が読者に伝えたいのは、「いかにチャンスに気づき行動を起こすか」である。私の場合はウェスティンホテル社長(当時)エドワード・カールソン氏との出会いが大きかった。