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第6回 求められる人材を探る「Wプロフェッショナルズ」 ㈱ハセガワエスティ 代表取締役会長 長谷川高士 氏×㈱フェイス 代表取締役 福永有利子

プランナーに求めること 空気を読む、 自身を俯瞰的に見る、 表現のバリエーションを増やすこと

【月刊HOTERES 2015年10月号】
2015年10月23日(金)
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空気が読めなければプランナーにあらず
 
福永 なかなか簡単にできることではありませんね。特に最近の世代は空気が読めない、いわゆる“KY”を自分自身で“わたしよくKYって言われるんです”という具合に、自己アピールに使用しているケースもあります。空気を読むということはこの仕事においてはとても大切なことだと思います。
 
長谷川 おっしゃる通りで司会に限らず、特に対面でお仕事をされている方にとっては、“空気を読む”ということはとても大切なことです。同じ“おはようございます”でもその日の気分によってトーンが変わったり、顔色や肌つや、表情を見れば相手の状況や感情を把握することができます。今の世代は、会話をしなくてもスマートフォンなどを使って一方的に伝えることができます。返信された言葉や絵文字で自己解釈し、会話をしています。このような生活の中では、上司や先輩に“空気を読みなさい”と言われても、おそらく空気をどのように読むのかが分からないというのが実状だと思います。また自分自身の思いや考えを表現することも不得手です。というよりどう表現したら良いのかが分からないのでしょう。
 
福永 空気が読めないということは、ウエディングプランナーという仕事においてはなかなか新規接客や打ち合わせなど、難しいかもしれませんね。また、人や物事、世の中の動きや流行に無関心では新郎新婦の思いや希望を理解することができないでしょう。
 
長谷川 まずは“空気を読む”ためのマニュアルが必要ですね。例えば顔の眉間にシワがよっていたら、相手は何か考えているとか、声のトーンが高いとか末尾は上がっているときは楽しんでいるとか、弾んでいるなど、さまざまな表情とその意味を可視化させることで、だんだん相手の表情や声の大きさで相手を理解することができるようになることでしょう。
 
また受けたサービスに対して自分はどう思ったのかを、きちんと頭やメモに刻んでおくことも重要です。先日もタクシーから降りるときに、おつりを払う前に“ここ行き止まりですかぁ”と聞いてきたタクシードライバーがいました。自分の都合を優先させるのではなく、まずはお客さまである私におつりを返した上で、疑問点を聞くというのが当たり前のことです。お客さまの立場に立ったときの感情を理解するためにも、“このお店感じが良かった”と思ったら何がそうさせているのかを考えたり、発見したりすることを積み上げていくことです。結婚式場内に閉じこもらず、自身がサービスを受ける経験を一つでも多くすることが大切です。
 
福永 私は今年で9 年目になりますが、毎年2 カ月間だけ大学の教壇に立っています。それは受講している学生一人一人の顔を見ることで、まさに空気を読みながら学生たちが求めている、興味がある講義内容を作り上げていくことができるということです。興味のある話のときは表情もイキイキとし、聞く姿勢もちがいます。興味がないときはうつむいていたり眠そうな表情になります。一方的ではなく表情を見ることの大切さ、つまり空気を読むことの意味や必要性が理解できたのです。
 
声のトーンも重要なポイントに
 
長谷川 声のトーンもとても大切です。皆、毎日、毎日調子が良いときばかりではありません。自身の調子が今一つだからといって“ありがとうございます”と“ございます”の語尾を下げたら相手に与える印象はどうでしょうか。本当に“ありがとうございます”と思っているのか疑問に感じられてしまします。言葉のトーンは相手に自分自身の意識がストレートに伝わるものです。だからこそ、自分の表現にバリエーションを持たせるためにも声のトーンによる表現にバリエーションも持たせ、意識的に発してみることが大切なのです。語尾を上げたときの相手の表情はどうなのか、大きな声、小さな声で発したときの表情、反応はどうなのかを常日ごろ、試してみることでコミュニケーション力もついてくることでしょう。
 
福永 そうですね。関わる周りのスタッフの方々に“本日はお世話になります”というひと言も、言われたからあいさつをするのではなく、本当に気持ちを込めてテンションを上げて“本日はよろしくお願いします!”と言えば、場の空気も良くなり、皆も“よし、頑張ろう!”という気持ちになります。常に相手の気持ちを考え、そして意識して行動していかなければなりません。
 
長谷川 人は話をすることによって、いろいろなことを学びます。世代がちがうと考え方もちがいますし、疑問に思うこともちがいます。だからこそ、空気を読むことがますます重要になってきます。同じ言葉でも今の世代にはどうなのか、なぜそうなのか、どうしたら理解できるのか、表情を変えられるのかなどを常に考え、そして相手にぶつけてみてまた反応を見る。それを繰り返すことでますます声や言葉のバリエーションが増えます。その積み重ねが会話の仕方や自己の表現の仕方が分からないスマホ世代には必要なことだと思います。
 
福永 これからのプランナーに求めることは、まずは空気を読むこと、自身を俯瞰的に見ること、そして表現のバリエーションを増やすことですね。コミュニケーションの根源は“空気を読むこと”であることに改めて気づかせていただきました。とても有意義なお話をありがとうございました。
 

㈱ハセガワエスティ
代表取締役会長    
長谷川高士
20 代前半から司会業を務め、ウエディング業界でも数少ない人気男性司会者として活躍、現在はハセガワST グループの会長職につきながらも、外資系ラグジュアリーホテルの専属司会、結婚総合プロデューサーとして現役司会人生を送る。宮崎あおい、杉本彩、小栗旬/山田優ら芸能人の婚礼司会も多く担当。また「OFUKU」として人の心に癒しを運ぶキャラクターとして、欧州やドバイなど国内外を問わず活躍中。著書・『心にしみたセレブウエディング』では、自身が担当した3500 組の結婚式の中で見た、" 本当の感動とおもてなしの結婚式とは" セレブたちの挙式の裏側を感動エピソード交えて紹介している。出演番組:日本テレビ「解決! ナイナイアンサー」/テレビ朝日「お願い!ランキング」/日本テレビ「ぐるぐるナインティナイン」/英国BBC 放送「わびさび」ナビゲーター/フジテレビ 夕方ニュース番組「スーパーニュース」/フジテレビ「ノンストップ」/ベストドレッサー賞総合司会/イエローリボン賞総合司会 等、さまざまなメディアに多数出演。

㈱フェイス 代表取締役
福永有利子
レストラン・ゲストハウスのウエディングプランナーから各現場の管理職としてマネジメントを担い、確実に業績を伸ばしてきた。2003 年にウエディングプランナー養成スクール講師をはじめ、06 年より大学にて非常勤講師として教壇に立ち、現在も教鞭を執っている。06 年堂島ホテル婚礼部長に就任、その後08 年同ホテル副総支配人に昇任。09 年には㈱フェイスを設立し、代表取締役に就任。現在は、ホテル・ゲストハウスを主に成約率向上を目的としたトレーニングや集客戦略立案・実践支援などのコンサルティングに加え、ウエディング全般にわたる支援を行なっている。著書・ウエディングプランナーじゃない、アカンのは上司や! 悩める管理職のアメムチ19 の育成術

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