HOTERES 本誌にて連載「キャリアドリフトウエディング」を執筆いただいた森弥生氏。並外れた嗅覚とバツグンの記憶力、数字力でさまざまな難関を突破。専門式場「目黒雅叙園」にて2 年間で1000組アップ。まさにスゴ腕だ。花嫁姿そしてウエディングの現場が大好きという森弥生氏にこれから求められるウエディングプランナーについてお話を伺った。
プランナーではない、
主導権はお客さま
福永 森さんはウエディング業界の中でも真の実力者として実績を上げていらっしゃいます。まさにウエディングプランナーたちの鑑かがみとして森さんに続く人材が現れてほしいですね。そんなスゴ腕の森さんが駆け出しのころはいかがでしたか。
森 私がウエディングの仕事をしたのは21 歳前後のときでした。当時はウエディングプランナーという職種はありませんでしたので、婚礼承り所として一般宴会も含めて応対していましたね。そのころは結婚式の基本を知りませんでしたので、先輩たちの行動、言動を見よう見マネで行なっていました。ただ、花嫁姿が大好きで花嫁さんの送迎のとき、誰よりも先に駆け寄り花嫁さんの手を携えてエスコートしていました。ただお客さまが望まれていることを、どのようにしたら叶かなえられるのかを常に考え、提案、実践していました。
福永 今はクレームをさけるための接客マニュアルにがんじがらめになっているプランナーが多いですね。本来はお客さまの夢を叶えたいという想いでウエディングプランナーにあこがれ就職したはずが、いつしかお客さまの夢はさておきパターン化された結婚式を作り上げてしまっています。
森 お客さまのニーズはますます多様化されていますので、ますます臨機応変な対応が顧客満足度をアップさせるために重要なことだと思います。決してウエディングプランナーが主導権を握ってはいけません。お客さまの希望を叶えること、つまり主導権はお客さまにあることをきちんと頭に叩き込まなければなりませんね。またときとして、人としてどうなの? と思うこともあります。例えばロッカーのドアを開けっ放しのままだったり、きちんとドアをしめなかったりなど、とても中途半端でだらしがないですね。私は見つけたら、その場で“こら、ドアをきちんと閉めなさい”という具合に注意するようにしています。事務所は自分の家ではありません。皆で使っているものですから、かかわるものが気持ちよく過ごせることまで目配り、気配り、心配りができることは、お客さまと接する仕事において重要なことなのです。
福永 私の娘にも洗面台に残っている髪の毛のことや、水を飛び散らかしたままであることで、よく注意をします。“公衆の化粧室の洗面台で髪の毛が残っていたらどうなの? 気もち悪くていやな気分になるでしょ。家も同じで後に使う人のことを考えなさい”と。相手を思いやる気持ちや気配りがもてるようになるためには、日ごろの習慣を変えていかなければできることではありませんね。
第5回
求められる人材を探る「Wプロフェッショナルズ」
㈱クレッシェンドプロデュース 代表取締役副社長 森 弥生 氏
【月刊HOTERES 2015年10月号】
2015年10月09日(金)
㈱クレッシェンドプロデュース 代表取締役副社長 森 弥生 氏
㈱フェイス 代表取締役 福永有利子 氏