店舗外観。インテリアはNYのブルックリンを彷彿とさせるインダストリアルデザインをベースに、CHALKBOYが描いたウォールアートやアイアンのディスプレイでまとめられている
㈱ダイナックが本年6つめとなる新業態店舗、&BEEFを新宿に開業した。コロナ禍を経験し、オフィス街へのドミナント出店から繁華街、郊外型、住宅地型へと出店の方向性を変更したとはいう同社。タイミングを計り、準備をしてきたとは思うが、出店スピードには業界内からも驚きの声があがっている。
そんな同社が今回着手したのがシュラスコだ。シュラスコと聞いて、既出の業態では? と思った読者もいるだろう。しかし、ジャンルに掛け算されたディテールを聞けば、新業態を納得してもらえるだろう。ちなみに、“&BEEF”店名の由来は、Buffet、Self-cocktail、Entertainment&シュラスコと、いろいろと楽しんでもらいたいという思いからという。そのテーマ通り、同店では食事を五感で楽しめる工夫が数多く組み込まれている。
例えば、シュラスコを食す際のソースだ。オニオンソースや月替わりソースなど、調味されて用意されたものに加え、テーブルの上でお客さまが自分の好みに合わせて小鉢を用い作る“フレッシュサルサソース”がコースに組み込まれている。デザートビュッフェでは、プリンやプチケーキ、ドーナツなど定番デザートに加え、ソフトクリームやトッピングでオリジナルパフェを作ることができる“カスタマイズミニパフェコーナー”が導入されるなど飲み会や女子会に加え、ファミリーでも楽しめる工夫がなされている。ドリンクコーナーのラインナップも秀逸で、お客さま自らサーバーを用いいれるビールコーナーに加え、果物などが付け込まれたお酒を炭酸水で割るクラフトサワーや、フローズン化されたサングリアなどを炭酸水で割るフローズンサワーなど、楽しい仕掛けが用意されている。組み合わせの仕方は自由なので、ミニパフェ用の果物のムースにフローズンサングリアをのせるのも、もちろんアリだ。サラダビュッフェにも、生野菜はもちろんのこと、温菜やカレー、ライス類なども用意されているので、ガーリックライスに肉類をのせ、シュラスコ丼にカスタマイズするのもいいだろう。
秋山社長曰く、本業態は目的及び予約来店が多いので、地下や空中階での出店にも向く業態だとみているとのことで、今後意欲的に出店を検討していきたいそうだ。
ヒットメーカーとして知られる、とあるTVプロデューサーがヒット作を作る秘訣は何かと聞かれ、「既知のものの中にちょっとの挑戦や新規性を取り入れること」と語っている。昨今のダイナックの業態開発を見ていると、それに通じるヒットの法則を作りつつあるように感じる。同社が今後、どんな新業態を発表するのか? とても楽しみだ。
&BEEF
https://and-beef.jp/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp