京都・岡崎エリアの街並みに溶け込む、伝統的和風建築の上質感と現代ホテルの快適性を兼ね備えた、4室のみのラグジュアリーホテル。京都在住の建築家である横内敏人氏の設計に、京都中村外二工務店が数寄屋建築を手がけた。内装デザインは乃村工藝社A.N.D.の小坂竜氏が手掛け、和とモダニズムを融合させた快適な空間となっている
昨年10月に京都・岡崎エリアに開業したラグジュアリーホテル「眞松庵(シンショウアン)」が、より快適な滞在を提案すべく、2022年4月1日より紹介制の宿へとサービス転向した。もともとスイートルーム4室の充実したプライベート空間が提供されている同ホテルだが、よりプライバシーに心遣いがなされた形だ。
そんな贅沢な滞在を提供する「眞松庵」は、〝日常のなかの非日常感“を、別宅で憩うかのごとく味わってもらいたいとの思いから、おのおのの客室が約90㎡とゆったりとした広さを有している。「眞 shin」、 「松 sho」、「洛 raku」 、「暁 gyo」と名付けられた4室は、それぞれに趣を異にした意匠やインテリアを備え、現代の生活様式に合わせながらも伝統的意匠や素材を用いることで、日本固有の空間の緻密さややすらぎを十分に味わえる、上質なプライベート空間になっている。
今回、ロゴにもなっている「眞松庵」の家紋は、紋章上繪師であり、オリジナル家紋デザインで国の内外から定評のある、「京源」三代目の波戸場承龍氏が手掛けた。
波戸場氏がデザインした家紋は、ショップカードやアメニティにも使用され、「眞松庵」のアイデンティティとなっている
波戸場氏に家紋デザインに込めた思いを伺ったところ、
「『眞松庵』の家紋は、眞・松それぞれの頭文字である『S』の字を組み合わせて〝結束“を、陰と陽で”4室の和と洋の融合“を表現しました。『S』の字を回転させた形は、〝四季の移ろい”を、八方向は〝全ての方角“を示し、右回転は〝求心力を持つ形で、色々な町からお客様にお越しいただきたい”という意味を込めました。数寄屋造りの4室のみのラグジュアリーホテルということもあり、別宅のようにくつろげる空間にふさわしい、柔らかさや暖かみを感じるデザインをご希望されていたので、シンプルな形の中に様々な想いを詰め込むという家紋らしさに、ロゴ的なデザイン要素を掛け合わせました。紋曼荼羅での納品をご希望でしたので、曼荼羅線が一番美しく見えるように円の数を調整したりと、細かい所まで工夫をこらしました」。
との回答が返ってきた。
同ホテルは南禅寺の門前に位置し、平安神宮や知恩院など有名な神社仏閣にはじまり、美術館や博物館など文化施設が集中する岡崎地区に位置している。上質な滞在と共に、歴史や文化に触れる時間を過ごすのにも理想的なエリアだといえる。
「眞松庵」は、日本人が古より受つ継ぐ気高い精神性と美意識を、限りなく追及することをコンセプトに作られた。和と洋の両面で、一流のプロフェッショナルたちによるこだわりの仕事が尽くされた〝真の贅沢“に、ぜひ触れてみてもらいたい。
眞松庵
https://www.shinsho-an.com/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp