2022年2月、赤坂にグランドオープンした「OMO3東京赤坂by星野リゾート」のOMOベース。壁にかけられた木札には、近隣の観光地や老舗が説明と共に紹介されており、QRコードで地図が読み込めるようになっている
〝街歩きを楽しむ“ことを魅力に、都市観光を推進している星野リゾートのOMOブランドが、赤坂に「OMO3東京赤坂by星野リゾート」をオープンさせた。OMOブランドといえば、〝ご近所ガイド OMOレンジャー”による街歩きのアクティビティが有名だ。全国のOMO施設で、地元密着型で地域活性化に貢献している同アクティビティだが、今回の開業にあたり、都会中の都会であり、老舗も多い赤坂の街と彼らが取り組んだプログラムは、既存のものとは一味違った、歴史ある都会ならではの魅力創生に成功している。
例えば、OMOベースに設置された「赤坂の手土産ダーツ」だ。〝人気手土産のファストパス”という枠に当たると、連日長蛇の列をなしている「西洋菓子しろたえ」の焼き菓子を、事前注文することで並ぶことなく購入することができたり、オーダーすれば〝焼きたて“のピックアップも可能(※イートインについては不可)など、赤坂での滞在時間を有効活用できる近隣店舗のお得情報を教えてもらうことができる。また、「YONA YONA BEER WORKS赤坂店」とは、宿泊客のみが注文できる「赤YONA宴ボール(アカヨナウタゲボール)」をコラボした。お重に見立てた、有田焼の三段のボール型の器に10種類のおつまみが盛られており、お得感満載な構成となっている。さらには、ウェルカムビールもつくという充実ぶりだ。さらに今回は、花柳界ともタッグを組んだ。現役の芸者衆もアフターやプライベートで立ち寄るという隠れ家バーに、OMOレンジャーがアテンドしてくれるのだ。
「YONA YONA BEER WORKS赤坂店」で提供されている、「赤YONA宴ボール(アカヨナウタゲボール)」。段重には、肉やサラダに加え、たこわさやいぶりがっこなど、ビールにあう10種類の〝つまみ“が盛り込まれている。チェックイン後はいつでも注文が出来、ディナータイムのみならず、ハッピーアワーにも利用可能だ
むろん、こういった取り組みを実現し得る背景には、赤坂という街が持つ歴史や文化が寄与するところも大きい。しかし、今回、彼らとのタッグを組んだ老舗企業が、〝OMO3東京赤坂が赤坂の街の魅力を発信するステーションとなることに期待する“と明言しており、これまで全国の都市でOMOブランドが都市観光に取り組んできた成果が表れている。
OMOブランドでは直近の大阪・今宮など、今後も話題の都市での開業が予定されており、おのおのの都市でどのような〝街歩き“を提案していくのかにも、期待が膨らむ。さらに都市観光のみならず、都市部の地域活性においても、OMOレンジャープログラムに学ぶところは大きい。地域活性はもちろんのこと、若者市場へのアプローチを考える事業者にも、ぜひ参考にしてもらいたい。
星野リゾート
https://www.hoshinoresorts.com/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp