オールドジャズが流れ、さまざまなアンティーク家具やアイテムで彩られた店内は上海の租界を思わせる。おいしさと楽しさに加え、刺激を一緒に味わってもらいたいというコンセプトのもと、中島武氏が銀座に新たなファインダイニングを作った
コロナ禍、「にょろ助」ブランドでうなぎ業界に新風を吹き込んだ際コーポレーションが、今度はステーキ業界に新たな風を吹き込もうとしている。神戸ビーフに始まり、北里八雲牛や井上牧場のグラスフェッドビーフなど、同社が持つ和牛の流通チャネルから得られる“中島氏目利き”による牛肉が、一頭買いだからこそ提供できる、さまざまな部位のサイドメニューと共に提供されている。さらに多様なジャンルでの店舗展開をする同社の強みが活かされ、スターターには中華の薬膳スープが、〆には旬の食材を使った土鍋ご飯が供せられるなど、際コーポレーションならではのフュージョンダイニングを楽しむことができる新しいスタイルのステーキハウスになっている。
加えて同ブランドでは、うなぎ業態の価格に一石と投じたと同様に、ステーキ業態にも価格の面で一石を投じ、上質な牛肉をリーズナブルな価格で食べられるメニュー展開がなされている。
エントランス横に設置された冷蔵ショーケースには和牛の流通に強いチャネルを持つ際コーポレーションならではのラインナップが並ぶ。中でも日本短角種とフランスのサレール種の交雑牛である“北里八雲牛”や国産のグラスフェッドビーフ、さらに黒毛和牛が食せるのは魅力だ
2021年12月には母子家庭を対象に、子供たちを無料で招待する“ママと子どものブルーリリーステーキディナー(1月末まで開催予定)”が発表された。中島氏自らがSNSで同企画を発表し、拡散の依頼も行なわれた。コロナ禍では大変な時期もあったという同社だが、共に厳しい時期を過ごしたひとびとに、“年末年始、美味しいひと時を過ごしてもらいたい”という中島氏の思いから生まれた企画だ。現在、同氏のSNSにはディナーを楽しんだひとびとから感謝のコメントが溢れている。
今後、同社ではステーキに注力した業態の展開に力を入れていくといい、銀座とは別のスタイルでステーキと中華の二刀流で展開する店舗が登場する予定だ。既存店においてもステーキ業態へのリニューアルが予定されているといい、日本の牛にこだわったステーキの楽しみ方を提案する同ブランドが、どのように展開されていくのか今後がとても楽しみだ。
銀座ブルーリリー ステーキ&チャイニーズレストラン
https://kiwa-group.co.jp/bluelily_ginza/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp