3つのコレクションブランドがさらなる展開の後押しに
---足下ではいくつかのホテルでホテル運営会社の廃業や撤退等で次のオペレーターを探しているというホテルオーナーの悩みのご相談をいただくことも弊社ではあります。おそらく、新型コロナウィルスの影響が長期化することでこの傾向がより色濃くなっていく可能性もあると考えていますが、御社ではコンバージョンによるリブランドなどはさらなる展開のチャンスでもあると思います。その点はどのようにお考えでしょうか?
おっしゃる通りすでに多くのホテルオーナー様よりそのようなお話をいただき、開発チームがお話をさせていただいています。やはり、弊社のディストリビューションの仕組みにご興味をいただいているようです。今ではマネジメント・コントラクト(MC)だけでなくフランチャイズ(FC)でもお話をさせていただいています。
---一方で、御社の既存ブランドにおいては各ブランドの明確なブランドスタンダードがあると思います。それがコンバージョン、リブランドの障害にもなるかと思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか?
確かに、各ブランドにはブランドスタンダードが存在します。一方で、私たちはラグジュアリーセグメントにおいては「ラグジュアリーコレクション」、アップスケール~アッパーアップスケールセグメントにおいては「オートグラフコレクション」、カジュアルブランドもしくはセレクトサービスセグメントにおいては「トリビュートポートフォリオという3つのコレクションブランドを持っています。
これらは、マリオット・インターナショナルのディストリビューションの仕組みを使える一方で、ブランドスタンダードに縛られない各ホテルの独自性を打ち出すことができます。最近でも、大浴場を館内に有する「HIYORIチャプター京都 トリビュートポートフォリオ」がコレクションブランドとして開業しました。そのような柔軟性を持ちつつ独立系ホテルの個性を活かせるホテルブランドを私たちはご用意しています。
---御社がコレクションブランドでも展開を増やされている点は非常に興味深く思います。例えば、10室の、高級旅館などもコレクションブランドに加入可能なのでしょうか?
基本的に50室以上の施設を考えていますので簡単ではありませんが、アイコンとなるような魅力を備えていれば可能性はないわけではありません。実際、京都の「翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル 京都」は 39室ですが「ラグジュアリーコレクション」ブランドとなっています。
---今後さらなる展開が続くと思われます。具体的な目標数値などお持ちでしょうか?
今後、先ほど申し上げた「ブルガリホテル東京」のほか、「東京エディション銀座」、「ウェスティンホテル横浜」、「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」、複数の「Trip Base 道の駅プロジェクト」など、数多くの開業案件を抱えています。また、まだ契約の締結を終えてはいませんが有力なプロジェクトも複数あります。当面は2023年末に 100軒のホテルを目指し、その後もさらなる展開を目指していきます。
私たちは日本の旅行市場の未来は明るいと見ており、引き続き、力強い展開を目指していきます。