需要のリバウンドが強く期待される業界の未来を信じ、 歩みはポジティブな気持ちとともに
---宿泊、F&B、バンケットにおける今後の需要について、何か傾向があればお聞かせください。
緊急事態宣言の解除以降、バンケットでは地元の企業による小さなイベントのご相談が増えています。中でもソーシャルイベントが多く、前半申し上げた50 名規模の授賞式はこの一例です。社会的には依然自粛ムードが漂っていますが、このような時世だからこそ、会社としてポジティブなメッセージを発信することが重要であると考えている経営者の方が多くいらっしゃいます。
---今後の展望や予想、業界に向けたメッセージなどがあればお聞かせください。
コロナ禍において国内需要が中心となる中で、ファミリー利用が増えたことに触れましたが、その際ブッフェの内容も国内向けのアイテムを増やす、キッズがよろこぶメニューを増やすなど、年齢や性別に関係なく、誰もが楽しめるよう柔軟な姿勢でお客さまをお迎えしてまいりました。そして現在も、毎日お客さまへのヒアリングを行ない、細かな検討と調整を積み重ねています。今後もこの方針は変わらず、その上でホテルとしてどのようなアプローチが魅力的か、どのような提案がイノベーティブかを、常に探求していきます。
また今後の予測ですが、早ければ9月ごろには、アジアの一部から二国間の規制が緩和されるのではないでしょうか。欧米、欧州圏のツーリストに関してはしばらく先で、個人的には2022 年の秋以降であると予測しています。
もちろん現在の厳しい状況はしばらく続くため、経営者であれば足元のキャッシュに注意を払わなければなりません。しかしここを乗り切ればインバウンドの復調は確実な未来であり、もっと言えば需要のリバウンドによって、短期間でこれまで以上のインバウンドゲストが日本を訪れることも期待できます。このことはDBJ・JTBF による調査で、お客さまの82%の人が、パンデミック後に海外旅行を希望しており、新型コロナ収束後に観光旅行したい国・地域として、日本の人気は引き続き高く、アジアではトップ、欧米豪でも2 位の人気となっているという事実からも述べることができます。
その上で最後にメッセージとして、「業界の明るい未来を信じて、プラスのイメージを持っていきましょう」と、特に若い方々にはお伝えしたいと思います。